善光会,スマート介護プラットフォーム「SCOP」の提供を開始
2019-7-12
SCOP Nowで連携する,
左から矢島 匠氏(キング通信工業),
中西敦士氏(トリプル・ダブリュー・ジャパン),
宮本隆史 氏(善光会),
伊藤秀明 氏(パラマウントベット)。
社会福祉法人善光会は,スマート介護プラットフォーム「Smart Care Operating Platform(SCOP)」を開発し,2019年7月から本格的な提供を開始した。
善光会は,“諦めない介護”や“先端技術と科学的方法を用いたオペレーション”などをビジョンとして掲げ,東京都大田区を中心に,複合福祉施設サンタフェガーデンヒルズや特別養護老人ホームのバタフライヒル 大森南など,7拠点を展開する。2017年には,社会福祉法人としては初めて研究開発・シンクタンク機能を持ったサンタフェ総合研究所を設立し,介護ソリューションの自社開発を進めている。
今回提供を開始したSCOPは,善光会が2014年から進めてきた介護ロボットを集中的に導入する「ハイブリッド特別養護老人ホームプロジェクト」から得られた知見を生かして開発した情報管理システム。複数の介護機器と連携し,利用者のヘルスケアデータを集約,一元的に可視化するもので,介護の質と生産性向上の実現を目的とする。今回は,複数の介護ロボットのインターフェイスを統合する「SCOP Now」と,介護記録システム「SCOP Home」の2つのアプリケーションが提供に至った。
「SCOP Now」は,介護現場で利用されているセンサ機器と連携し,各種データを一元的に管理・閲覧できるアプリケーション。従来,機器ごとに異なっていたインターフェイスを統合することで,スタッフの労力を軽減し,効率的な介護を実現する。トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社の排泄予測サービス「D Free」,パラマウントベット株式会社の見守り支援システム「眠りスキャン」,キング通信工業株式会社の高齢者見守りシステム「シルエット見守りセンサー」と連携可能で,すでにこれらのセンサを導入している施設では,アプリケーションのダウンロードだけで使用できる。費用は月額50円×施設定員数となっている(有料オプションあり)。
また,介護記録システム「SCOP Home」は,情報を一覧化し,一画面で10名の利用者状態を把握できるほか,直感的に使用でき,離れた場所にいるスタッフともリアルタイムで容易に情報共有が可能となる。同会の施設ではすでに導入されており,他施設へは2019年秋に発売を予定している。なお,費用は100円×施設定員数の予定(有料オプションあり)。
善光会では,連携先の拡充と同時に,医介連携も視野に,プラットフォームを中心とした周辺環境との融合をめざしていく考え。また,SCOPは国立研究開発法人日本医療開発機構(AMED)の平成30年度「ロボット介護機器開発・標準化事業(開発補助事業)」における採択課題として,「介護業務支援」において開発支援を受けており,来年度は介護AIの実装を予定している。なお,SCOPは今後5年間で2400施設での導入を目標としている。
2019年7月11日(木)に赤坂インターシティコンファレンス(東京都港区)で開催された記者発表会では,善光会の理事・最高執行責任者の宮本隆史氏が,善光会の理念や取り組み,SCOPの概要を解説した。その上で,介護業界における人材不足解消には,ビッグデータやAIの活用に加え,多様な働き方の導入が必要であるとし,SCOPで支えていく仕組みを構築したいとした。続いて,SCOP Nowと連携するトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社の代表取締役の中西敦士氏が登壇。介護事業は利用者のQOLを第一に考え,必要なケアを適切なタイミングで提供することが重要であるとした上で,今回の連携を基盤にさらなる開発・改良を進め,介護の本質から外れず,かつ世界的にも評価が得られるよう取り組んでいきたいと述べた。また,パラマウントベット株式会社営業本部IBS販売推進部部長の伊藤秀明氏,キング通信工業株式会社営業統括本部営業企画課の矢島 匠氏の両氏も,SCOPを活用し,より良い介護を広めていきたいと抱負を述べた。
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●問い合わせ先
社会福祉法人善光会
サンタフェ総合研究所
TEL 03-5464-8841