日本医療機器産業連合会(医機連)が,「2021年度 医機連みらい戦略会議シンポジウム」を開催

2021-5-19

日本医療機器産業連合会(医機連)


日本医療機器産業連合会(医機連)は,2021年4月26日(月),「2021年度 医機連みらい戦略会議シンポジウム」をオンラインで開催した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的なパンデミックにより,わが国においても医療現場はかつてない深刻な状況に直面している。こうしたなか,コロナ禍における医療機器の貢献を広く社会に周知するとともに,医療機器産業界全体のステイタスアップを図ることをめざし,「社会課題の解決に貢献する『医療機器』—コロナ禍から始まる医療機器のトランスフォーメーション」をテーマとしてシンポジウムが行われた。

冒頭,医機連副会長 / 医機連みらい戦略会議議長の渡部眞也氏が講演し,政府が推進するSociety 5.0を支える医機連のこれまでの取り組みや,医機連みらい戦略会議設立の背景などを述べた。また,人工知能(AI)をはじめとするデジタル技術の発展やCOVID-19の蔓延などにより,医療は大きな変革の時代を迎えており,産業界としてもさまざまな変化にスピーディに対応できる技術基盤の構築などが求められているとの考えを示した。
続いて,5名の演者による講演が行われた。

内閣府健康・医療推進事務局長の八神敦雄氏は,「医療機器・ヘルスケア開発の現状と課題(第1回医療機器・ヘルスケア開発協議会より)」と題して講演し,世界における日本の医療機器産業の競争力について課題を示した。また,今年3月に行われた「医療機器・ヘルスケア開発協議会」の概要として,ヘルスケアから医療への連続的な対応におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用などに言及した。

日本医師会副会長の今村 聡氏は,「AIへの期待,医療機器への期待について」と題して,コロナ禍におけるAIをはじめとしたデジタル技術と医療機器を活用した非対面の診療の実現について展望した。さらに,日本医師会が設置した「AIホスピタル推進センター」の概要を紹介した。

かわぐち心臓呼吸器病院理事長・院長 / NPO法人日本ECMOnet理事長の竹田晋浩氏は,「コロナ禍における医療現場から医療の継続性について」と題して講演した。コロナ禍における救命治療として,特に体外式模型人工肺(ECMO)を用いた治療の実際や,人工呼吸治療(ECMOを除く)による日本の救命率が世界トップレベルであることなどを紹介。その上で,ECMOを含む医療の継続した発展のために求められる対応などを指摘した。

シスメックス株式会社上席執行役員LSビジネスユニット担当の久保田 守氏は,「コロナ禍における社会貢献(シスメックスの取組み)」と題して,同社が提供するCOVID-19関連検査の概要などを述べた。同社のPCR検査試薬が昨年3月に国内初の薬事承認を取得したほか,ロボットPCR検査システムの開発,COVID-19 PCR受託検査ラボの設置など,具体的な取り組みが紹介された。

株式会社アルムCEOの坂野哲平氏は,「コロナ禍における医療ICTを活用した国際支援と社会経済活動支援」と題し,同社が開発した医師対医師の遠隔診療プラットフォーム“Join”を紹介した。Joinは医療機器プログラムとして日本初の保険適用を受けており,すでに世界23か国,800施設に導入されていることなどが報告された。

講演に続き,野村総合研究所の松尾未亜氏がファシリテーターを務め,演者5名をパネリストとしてラウンドテーブルディスカッションが行われた。日本のより良い医療を世界にシステムとして届けるために乗り越えるべき課題などについて活発な議論が行われた。

最後に,医機連会長の松本謙一氏が挨拶に立ち,今後も社会課題に対する医療機器産業界の取り組み姿勢を示す機会を設けていきたいと述べ,本シンポジウムを締めくくった。

八神敦雄 氏(内閣府健康・医療推進事務局)

八神敦雄 氏
(内閣府健康・医療推進事務局)

今村 聡 氏(日本医師会)

今村 聡 氏
(日本医師会)

竹田晋浩 氏(かわぐち心臓呼吸器病院 / NPO法人日本ECMOnet)

竹田晋浩 氏
(かわぐち心臓呼吸器病院 / NPO法人日本ECMOnet)

     
久保田 守 氏(シスメックス株式会社)

久保田 守 氏
(シスメックス株式会社)

坂野哲平 氏(株式会社アルム)

坂野哲平 氏
(株式会社アルム)

 

 

●問い合わせ先
日本医療機器産業連合会
TEL 03-5225-6234
http://www.jfmda.gr.jp

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