東海大学医学部付属病院に
「NAEOTOM Alpha」国内初号機を導入

シーメンスヘルスケア（株）は2022年3月29日（火），フォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha」の国内初号機を東海大学医学部付属病院に導入することを発表した。同日，ゲートシティ大崎ゲートシティホール（東京都品川区）にて記者説明会を開催し，製品説明および東海大学関係者によるトークセッションが行われた。
NAEOTOM Alphaは世界で初めて製品化されたフォトンカウンティングCTで，日本国内では2022年1月26日に製造販売認証を取得。（株）アクロラド（沖縄県うるま市）と共同開発したフォトンカウンティング検出器“QuantaMax detector”によりX線フォトンをエネルギーごとに個々にカウントすることで，従来の個体シンチレーション検出器よりも高分解能，高画質，低線量撮影を実現するとともに，すべての検査でスペクトラルイメージングが使用可能になる。66msの時間分解能（ハーフ再構成）を有するDual Source CTで，心臓領域の検査にも対応する。国内初号機の導入が決定した東海大学医学部付属病院では，2022年6月からの稼働を予定している。

記者説明会は，第一部「日本のCT市場と新製品NAEOTOM Alphaについて」と第二部「医療現場における次世代CT導入の意義〜『NAEOTOM Alpha』を日本初導入，東海大学医学部付属病院の画像診断領域での再定義への期待〜」の2部構成で行われた。
第一部の冒頭，シーメンスヘルスケア代表取締役社長の森　秀顕氏が挨拶に立った。森氏は，NAEOTOM AlphaがFDAから「10年に一度の革新的な技術」と評価されたことと，コア技術の検出器が日本で開発されたことに触れ，CTを再定義するような革新的な技術を上市でき，また日本発のイノベーションを世界に届けられることを誇りに思うと述べた。
続いて，ダイアグノスティックイメージング事業本部CT事業部プロダクトマネージャーの田中秀和氏による製品説明と，リモートで参加したアクロラド代表取締役社長の大野良一氏によるプレゼンテーションが行われた。アクロラドは検出素子の開発だけでなく，素子の原料であるカドミウムとテルルの開発・製造から手掛けており，2005年からシーメンスとフォトンカウンティング検出器の研究を開始。大野氏は，15年以上の歳月をかけて製品化に至ったフォトンカウンティングCTの検出器開発経緯や技術の特徴について紹介した。

森　秀顕 氏
（シーメンスヘルスケア代表取締役社長）

田中秀和 氏
（シーメンスヘルスケアダイアグノスティックイメージング事業本部CT事業部）

大野良一 氏
（アクロラド代表取締役社長）

第二部は，東海大学医学部付属病院関係者が登壇し，NAEOTOM Alphaへの期待についてトークセッションを行った。はじめに，ダイアグノスティックイメージング事業本部事業本部長の桜井悟郎氏が挨拶し，東海大学医学部付属病院に国内初号機が導入されることについて，「NAEOTOM Alphaを臨床現場や研究で活用いただくことを通じて，われわれも想像し得ないメリットを患者や研究に届けられるのではないかと期待している」と述べた。
続いて，東海大学医学部長の森　正樹氏が「医学研究における最新技術への期待」と題して，東海大学医学部・付属病院の概要を紹介するとともに，2024年に医学部が50周年を迎えることから，CTを再定義するNAEOTOM Alphaを活用し，診療・教育・研究を再構築してさらなる高みをめざすとの展望を語った。
トークセッションでは，ダイアグノスティックイメージング事業本部CT事業部部長の早川　護氏が進行役を務め，森医学部長（消化器外科）のほか，医学部付属病院病院長（整形外科）の渡辺雅彦氏，医学部画像診断学領域主任 教授の橋本　順氏，医学部付属病院診療技術部長の川又郁男氏が登壇。臨床現場におけるNAEOTOM Alphaへの期待について，それぞれの専門領域や立場からコメントし，高分解能・高画質による早期がんの発見やスペクトラルイメージングへの期待，医療安全への貢献，被ばくや造影剤の低減による患者の負担軽減などへの期待が語られた。

桜井悟郎 氏
（シーメンスヘルスケアダイアグノスティックイメージング事業本部事業本部長）

早川　護 氏
（シーメンスヘルスケアダイアグノスティックイメージング事業本部CT事業部部長）

森　正樹 氏
（東海大学医学部長）

渡辺雅彦 氏
（東海大学医学部付属病院病院長）

橋本　順 氏
（東海大学医学部画像診断学領域主任 教授）

川又郁男 氏
（東海大学医学部付属病院診療技術部長）