GEヘルスケアと熊本大学が医工融合による包括的連携協定を締結し調印式を開催
2022-10-27
調印式に臨んだ小川久雄 氏(熊本大学,左)と
多田荘一郎 氏(GEヘルスケア,右)
GEヘルスケア・ジャパン(株)と熊本大学は,医工融合による医療の課題解決に向けた包括的連携協定を締結した。本協定は,産学融合や医工融合によりイノベーションを創出・社会実装し,医療DXの実装や災害などの有事における医療提供体制の確立,地域の健康促進を実現することを目的とする。特に,企業と医学部に加え,生体工学などで優れた実績を持つ熊本大学工学部も包括的に連携し,地域の課題解決をめざしていく。2022年10月25日(火)には,熊本大学学長の小川久雄氏とGEヘルスケアの代表取締役社長兼CEOの多田荘一郎氏らが出席し,熊本大学(熊本県熊本市)で調印式が行われた。
熊本県は近年,地震や水害などの災害が多く発生し,災害発生時のカルテ喪失や災害時循環器病などへの対応の必要性が改めて認識されている。また,県内の多くを占める中山間部では救命救急病院や産科などの専門病院が不足しており,医療格差が大きな医療課題になっている。熊本大学を中心として,課題解決に向けた医工連携による共同研究などが行われてきたが,今回の協定により,GEヘルスケアもともに取り組みを行っていくことになる。今後は,熊本大学とGEヘルスケアの両者で連携協議会を立ち上げてテーマの絞り込みを行い,具体的なプロジェクトやスケジュールなどを策定する。なお,プロジェクトマネージャは熊本大学循環器内科学教授の辻田賢一氏,GEヘルスケア・ジャパン アカデミック本部Academic Relation Manager西日本リーダーの池田陽介氏が務める。
調印式で小川氏は,「これまでも循環器領域などでの個別課題においてGEヘルスケアと連携を行ってきた。今回の協定により,熊本県が抱える地域課題の解決に向けて連携する枠組みを作り,研究や人材育成,地域医療などについて相互に連携し,地域社会の発展に取り組んでいきたい」と抱負を述べた。また,多田氏は,今回の連携により新たな医療提供体制の構築に寄与していきたいとした上で,「半導体関連企業の進出といった産業的な背景もあり,複数の分野にまたがるプロジェクトから生まれるイノベーションを創出・実装したい」と意気込みを示した。
調印式後に行われた記者発表会では,多田氏と小川氏のほか,プロジェクトマネージャの池田氏と技術本部研究開発部部長の植竹 望氏,熊本大学大学改革・評価担当理事・副学長の富澤一仁氏らが登壇し,本プロジェクトの概要や熊本県が直面する現状や医療課題などについて解説した。また,熊本大学側のプロジェクトマネージャを務める辻田氏は,循環器領域の立場から,「GEヘルスケアが持つ医療機器やノウハウなどのリソースを熊本県の医療情報共有システムに組み込むことで,医療格差の解消につながるのではないか」との期待を示し,GEヘルスケアの超音波診断装置を活用した救急搬送中の迅速な医療提供体制の構築などをプロジェクトとして検討していくと述べた。
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コーポレート コミュニケーション
TEL 0120‐202‐021
https://www.gehealthcare.co.jp/
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