愛媛大学とGEヘルスケアジャパン,乳房MR画像のAI診断支援技術の共同研究を発表
2022-12-6
写真左から愛媛大学:松田卓也氏,松田 恵氏,
城戸輝仁氏,山下政克氏,
GEヘルスケア・ジャパン:松葉香子氏,
ハック・ハスナイン氏,植竹 望氏
愛媛大学とGEヘルスケア・ジャパン(株)は,乳房MR画像における人工知能(AI)を活用した診断支援技術を共同で研究する。2022年12月6日(火)には愛媛大学(愛媛県東温市)で記者発表会を開催し,研究概要を紹介した。
今回,両者が取り組むのは,1回の撮像で複数のコントラスト画像を得られるSynthetic MRIのデータからradiomics特徴量を用いて,機械学習により腫瘤の良悪性を判定するというもの。Synthetic MRIは,通常のMR撮像と異なり,一度にT1値,T2値といった複数の定量値を得られ,それを基にT1 map画像,T2 map画像などを作成できる。そこで,今回発表された共同研究では,造影前後にSynthetic MRIを撮像し,T1 map画像,T2 map画像,PD map画像を取得。取得した画像から抽出できる528種類の特徴量から100種類を選択して機械学習を行い,乳がんの良悪性を判定した。研究では,造影前後の各18種類のフィルタと,6種類の機械学習の手法による1944通りの組み合わせから診断能を評価している。この結果,397スライス(良性:94,悪性:303)における評価指標(平均感度×平均特異度)が最も高かったのは,造影前フィルタにbilateral,造影後フィルタにcurvature flow,機械学習にNaive Bayesを用いたもので,0.48という結果を得られたという。本研究は,同大学大学院医学系研究科医療情報学講座助教の松田卓也氏が,2022年11月17日〜21日に行われた第42回医療情報学連合大会(第23回日本医療情報学会学術大会)において,「Synthetic MRIから得たマッピング画像のレディオミクス特徴量を用いた機械学習による乳腺腫瘤の良悪性鑑別の試み」と題して発表した。共同研究では,今後,画像特徴量の追加やカテゴリー判定と組み合わせた総合的なアルゴリズムの開発を進めることで性能向上を図り,既存のカテゴリー判定を補うモデルをめざすという。
記者発表会には,愛媛大学からは,同大学大学院医学系研究科長の山下政克氏,同大学大学院医学系研究科放射線医学講座教授の城戸輝仁氏,同大学医学部附属病院放射線部講師の松田 恵氏,松田卓也氏が出席。GEヘルスケア・ジャパンからは,執行役員アカデミック本部長の松葉香子氏,研究開発部シニアサイエンティストのハック・ハスナイン氏,研究開発部部長の植竹 望氏が参加した。山下氏,松葉氏の主催者挨拶に続き,挨拶した城戸氏は,医療におけるAIの活用について触れた上で,AIの研究開発には,最先端の取り組みを行っている企業との連携が重要であると共同研究の意義を述べるとともに,今後の共同研究の成果に期待を示した。
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コーポレート コミュニケーション
TEL 0120-202-021
https://www.gehealthcare.co.jp
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