キヤノンメディカルシステムズ,本社敷地内に新設した血管撮影装置ショールームや製品安全試験センターの見学会を開催

2023-5-19

キヤノンメディカルシステムズ


新設された血管撮影装置ショールーム

新設された血管撮影装置ショールーム

キヤノンメディカルシステムズは,同社の本社敷地内(栃木県大田原市)に新設した血管撮影装置のショールームならびに製品安全試験センターの見学会を2023年5月16日(火)に開催した。血管撮影装置ショールームは,敷地内のカスタマーサポート&トレーニングセンターに新たに開設され,同社の血管撮影装置「Alphenix BiPlane」を実際に操作・体験できる。また,2023年4月に完成したばかりの製品安全試験センターは,環境に配慮しつつ,大型装置の試験にも対応可能な設備を備えており,6月の稼動開始を予定している。見学会では,これら新施設の設備が紹介されたほか,敷地内の大田原工場のCTやデジタルX線TV装置,超音波診断装置などの製造工程が紹介された。

●血管撮影装置のシェア拡大に向けショールームで総合的に提案

血管撮影装置ショールームは,国内外の関係者向け教育施設として活用されているカスタマーサポート&トレーニングセンターに初めて開設されたショールームである。同社が扱う製品群の中から血管撮影装置が選択された背景には,血管撮影装置を主柱事業に成長させるという同社の事業戦略がある。同社は,高齢化に伴い,特に低侵襲なカテーテル治療の需要の高まりが予測されることなどを踏まえ,血管撮影装置のグローバルマーケットシェアを2025年には11%に拡大することを目標に掲げており,台数ベースでは,全世界の年間出荷台数を現在の約300台から400台超をめざす。VL事業部グループ長の賀集悠登氏は,「目標の実現のため,放射線科領域に加え,心疾患などの循環器科領域の両セグメントでシェア向上をめざしている。特に,国内に多い心疾患に特化した施設での導入,普及を進めていきたい」と展望を述べた。

また,ショールームの意義について,X線営業部グループ長代理の古田宜弘氏は,装置を実際に体験できるという点に加え,装置本体のみならず照明やデスクなどの周辺機器や環境も考慮し,総合的な提案を行えることを挙げる。例えば,ショールームの操作室は検査室に比べ若干暗い色調になっている。それは,操作室のモニタ画像に周囲が映り込まず,また検査室内の手技が確認しやすいという機能的な配慮に基づいている。同社では,ショールームを医療施設など現場で求められるニーズと製品開発の現場をつなぎ,それらすべてを調和させた理想的な環境デザインを提示する場として位置付け,年間100件以上の来場者を目標とし,オンラインの活用も併せて販売目標の達成をめざす。また,社内の教育や製品開発などにも活用する予定である。

ショールームに設置された血管撮影装置「Alphenix BiPlane」

ショールームに設置された血管撮影装置「Alphenix BiPlane」

 

カップラーメンを用いたデモンストレーションが行われた

カップラーメンを用いたデモンストレーションが行われた

 

重厚なイメージの特注キャビネットは,施設に合わせた組み合わせで提案が可能

重厚なイメージの特注キャビネットは,施設に合わせた組み合わせで提案が可能

 

窓と重ならないよう,モニタの設置場所を一段下げるなどの工夫が施されている

窓と重ならないよう,モニタの設置場所を一段下げるなどの工夫が施されている

 

●製品安全試験センターに社内のすべての試験を集約

2023年4月に完成した製品安全試験センターは,電波暗室やシールドルーム,大型・中型恒温槽などを備える。厚い鉄板で覆われた電波暗室は,外部の電磁波ノイズを遮断し,装置が発する電磁波を測定する。内部には直径10m,耐荷重15tのターンテーブルが設置されており,大型装置を360°回転させ,くまなく精査することが可能である。また,温度や湿度変化への耐久性や保管,輸送時の環境変化が装置に与える影響などを評価する恒温槽は,対応範囲が温度−30〜+80℃,湿度10〜95%で,JIS規格など国内外の規格に沿った試験を行える。従来は,超音波診断装置など一部装置の試験に外部施設を利用していたが,製品安全試験センターの新設により,基本的に社内ですべての試験を行うことが可能になる。試験の集約化はコスト面などでもメリットがあり,将来的に大型・重量化した装置の試験にも対応できるよう設計されている。
さらに,同社は環境への取り組みを経営の最重要課題の一つとして位置付け,CO2や廃棄物の削減,環境配慮型製品の開発などを進め,本社敷地内では緑地改善による生物多様性の保全などを推進している。製品安全試験センターでも,消費電力を従来の約60%に低減するほか,排水方式の工夫により水の消費量を大幅に削減する。加えて,静音設計を採用するなど,環境維持に配慮していることが紹介された。

製品安全試験センターの外観

製品安全試験センターの外観

 

大田原工場内部の様子

大田原工場内部の様子

 

工場内では,各装置の見学コーナーも設置されている

工場内では,各装置の見学コーナーも設置されている

 

●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon

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