PHRサービス「カルテコ」に顔の撮影で
バイタルサインを計測できるセンシング技術を搭載

メディカル・データ・ビジョン（株）はPHRサービス「カルテコ」をリニューアルし，2023年11月13日（月）にリリースした。11月22日（水）には本社MDVセミナールーム（東京都千代田区）でリニューアル内容を紹介する記者体験会を開催した。

カルテコは，提携している医療機関で診療や健診を受けた受診者がWeb上で自身の診療記録や検査画像，健診結果を閲覧できるPHRサービスで，2017年からスマートフォンアプリとして提供されている。今回，「大切な家族と自分の健康管理」をコンセプトに全面リニューアルを行い，ユーザーを受診者に限らず一般生活者へと拡大し，ユーザー自身や，ペット（犬，猫）も含めた家族の日々の健康管理を行えるサービスへと進化した。サービスのテーマである「生活者が医療を選択できる環境づくり」を実現するために，多くの機能が追加されている。

代表的な新機能が，顔の動画を10秒間撮影するだけで脈拍数，呼吸数，自律神経バランスを把握することができる非接触バイタルセンシングである。2022年10月に資本業務提携した（株）センシングの非接触型生体情報取得技術を搭載したもので，動画から顔のヘモグロビン色素の濃淡を計測・解析して脈拍数を取得，独自のアルゴリズムで呼吸数，交感神経，副交感神経などを導き出す。脈拍数は心電計に対して90〜99％以上の高精度で計測可能で，解析結果は数値で記録されるほか，自律神経バランスおよび全体の活動量から心身の状態を10区分のモードで表示，ユーザーが自身の状態を把握しやすいように工夫されている。また，解析結果と自覚症状から自宅でできる検査キットを提案，ECサイトで検査キットを購入でき，検査の結果はカルテコ上で確認できる。なお，健康管理における医療監修は，天気痛の研究で知られる中部大学生命健康科学研究科教授/愛知医科大学客員教授の佐藤　純氏が務めている。
このほか，家族向けの機能として，両親や子どものバイタルセンシングや，診療情報やバイタルデータなどの家族間共有，ペットのバイタルセンシングやペットオンライン診療との連携などの機能を搭載する。非接触バイタルセンシングの利用料は月額330円，ペット向けは月額550円となっている（提携医療機関の受診者が情報を閲覧できる従来のサービスは無料で利用可能）。また，メディカル・データ・ビジョンが有する国内最大規模の診療データベース（4525万人）および保険者データ（1970万人）のビッグデータを活用した，未来予測（健診結果などから疾患の発症リスクを予測）や医療費シミュレーションといった機能も提供する。メディカル・データ・ビジョンはカルテコによりPHRを推進し，エビデンスに基づいて国民が自身で医療を選択できる社会の実現をめざしていく。

（株）センシングの高精度な非接触型生体情報取得技術を搭載

計測・解析結果は数値およびモードで表示

計測後に自覚症状を入力すると，自宅でできる検査キットを提案

ペットを含む家族の健康管理や，ビッグデータを基にした未来予測や医療費シミュレーションの機能を搭載

ペット（犬・猫）の非接触バイタルセンシングも可能

計測・解析結果から心身の状態を10区分のモードで表示