フィリップス・ジャパン,意識調査レポート「Future Health Index 2024 日本版」の記者発表会を開催
2024-10-9
記者発表会は駐日オランダ王国大使館大使公邸で
行われた
(株)フィリップス・ジャパンは,2024年10月2日(水)に全国の病院経営者などのヘルスケアリーダーを対象とした意識調査レポート「Future Health Index 2024 日本版」を発表した。Future Health Index 2024は,日本を含む世界14か国で2023年12月〜2024年2月に約3000人のヘルスケアリーダーを対象に行われた調査。対象者が自施設・組織の高品質なケアを適時提供する能力に関して行った評価を分析し,ケア提供の障壁となるギャップ(課題)に焦点を当てて検討している。日本版の発表当日には,駐日オランダ王国大使館大使公邸(東京都港区)で記者発表会が開催され,Future Health Index 2024 日本版の概要の紹介や今後のヘルスケアに関するトークセッションなどが行われた。
記者発表会では,駐日オランダ王国特命全権大使のヒルス ベスホー・プルッフ氏とロイヤルフィリップスCEOのロイ・ヤコブス氏の挨拶の後,フィリップス・ジャパン代表取締役社長のジャスパー・ウェステリンク氏が登壇。ヘリウムフリーのMRI装置など,日本を含む全世界で展開するフィリップスの製品・ソリューションやFuture Health Index 2024 日本版の概要について紹介した。
続いて,Future Health Index 2024 日本版が示す課題に基づき,ロイ・ヤコブス氏,慶應義塾大学 医学部 教授の宮田裕章氏,国際医療福祉大学学長の鈴木康裕氏によるディスカッションが行われた。ファシリテーターは日本医療政策機構代表理事・事務局長の乗竹亮治氏が務めた。
Future Health Index 2024 日本版では,日本では,人手不足の影響を受け医療従事者の長時間労働やバーンアウト(燃え尽き症候群)が生じていることが報告されている。これについてヤコブス氏は,「日本では,医師のみならず看護師や技師なども長時間労働による疲労が激しい。負担軽減を図り,より重要な業務に集中するためにもバーチャルケア導入によるキャパシティの拡大が有用ではないか」と述べた。一方,日本ではバーチャルケアに対し肯定的にとらえる医療従事者・患者が少ないという結果も示されている。それについて宮田氏は,「日本では現状の医療に対する満足度が高く,デジタルリテラシーの低さも加わってバーチャルケアに対する肯定度が低いのではないか」とした上で,従来の医療をバーチャルケアに置き換えるだけではなく,テクノロジーにより新たな価値を創造し,新しい医療のかたちを見せていくことが必要とした。また,医師の長時間労働を解消すべく,2024年4月に医師の働き方改革が導入されているが,厚生労働省技官などを務めた鈴木氏は,医師の働き方改革を実現する要素としてタスクシフトや集中と選択による病床の削減,医療DXの推進などを挙げた。特に医療DXについて,鈴木氏は「日本の医療DXは基盤は整っている半面,オンプレミスなシステムが多く,同時にデータの活用面での改善も必要だ」と指摘。医療DX推進のポイントとして,すべてのステークホルダーにメリットがあること,民間病院などへのインセンティブを組み込んだデザインにすることなどを示した。さらに,Future Health Index 2024 日本版では政府やほかの医療機関,企業などとのパートナーシップを通じた医療の質の向上にも焦点が当てられている。これについて宮田氏は,「例えばフィリップス社の遠隔集中治療ソリューションのようなテクノロジーを導入することで,新しい価値をつくることができる。医師の労働負荷はもはや施設内だけで抱えきれるものではなく,産業界やほかのプロフェッショナルとの連携がカギとなる」と述べた。
●問い合わせ先
(株)フィリップス・ジャパン
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