キヤノン,デザインをテーマにしたオンラインセミナーで「全身用マルチポジションCT」開発におけるデザインの役割を紹介

2025-12-16

キヤノンメディカルシステムズ

CT


次世代CTを実現した開発のコンセプトをデザイナーの視点で紹介

次世代CTを実現した開発のコンセプトを
デザイナーの視点で紹介

キヤノン(株)とキヤノンマーケティングジャパン(株)は,キヤノンのデザイナーによるオンラインセミナー「Meet-up Canon Design 2025」を,2025年12月2日(火)に開催した。同社のデザイナーからミラーレスカメラやコンパクトフォトプリンターのデザインコンセプトの解説やデザインリサーチやCGクリエーションの取り組みなどを説明するプログラムが行われた。
『検査の未来を描く「全身用マルチポジションCT」のデザイン』では,2025年4月に発売され「2025年度グッドデザイン・ベスト100」を受賞した世界初のマルチポジションCT「Aquilion Rise」について,総合デザインセンターの髙野盛司郎氏(プロダクトデザイン担当),林昌俊氏(ユーザビリティデザイン担当),内海誠一郎氏(ユーザーエクスペリエンスデザイン担当)がデザインの視点から製品のコンセプトやねらいを紹介した。
Aquilion Riseは,臥位に加えて立位,座位での撮影が可能な全身用マルチポジションCTであり,より日常生活に近い状態で撮影することで機能性疾患などの診断に寄与することが期待されている。2014年からまず立位CTとして慶應義塾大学病院と共同研究を開始し,その知見を元に新たに開発された。Aquilion Riseでは,立位CTで課題だった2本の支柱で医療スタッフの視野が限られる,患者にとっても圧迫感から不安に感じるといった点を解消するため,片持ちのガントリ機構を採用した。支柱が1本になることで,広い検査空間を確保し患者の不安や緊張を和らげると同時にスタッフの作業効率も向上した。片持ちのガントリ機構のスキャナ部は,乗用車と同等の重さがあり,内部の撮影ユニットを0.35秒で1回転させるという高剛性かつ高精度な駆動機構によって実現されている。
また,快適な検査のためのデザインとして,スキャナ部のチルト機構や曲面基調のフォルム,800mmの大開口径などを実現し,また姿勢保持ポールや接触防止センサーなどによって安心,安全な検査を可能にしている。さらに,効率的な検査の実施のために,4台のカメラで患者の様子を死角なく観察できるようにして検査をサポート。使いやすくわかりやすい操作を実現するため,タッチパネルとワンボタンのスタイルをAquilion Serveから引き続き採用。検査と操作者の視線の流れに沿った画面レイアウトなどでインターフェイスを工夫した。これらのユーザビリティの向上のため,ユーザビリティデザインとユーザーエクスペリエンスデザインの担当者が連携して,検査時のスタッフの視線移動を把握するためのアイトラッキング検証や,キヤノンの複合現実システムである「MREAL」を用いたバーチャル空間での検証を行ったことなどを紹介した。

キヤノンメディカルシステムズ

CT


TOP