RSNA2018が11月25日に開幕
2018-11-26
Opening Sessionで幕を開けたRSNA 2018
第104回北米放射線学会(RSNA2018)が2018年11月25日(日)に開幕した。会場となる米国イリノイ州シカゴ市のマコーミックプレイスには,初日から多くの参加者が訪れ,活気を見せている。初日8時30分からは,レイクサイドセンターのArie Crown Theaterにおいて,恒例のOpening Sessionが行われた。
Opening Sessionには,大会長を務めるトーマス・ジェファーソン大学放射線科教授のVijay M. Rao, M.D.のほか,American Association of Physicists in Medicine(AAPM)の会長であるBruce R. Thomadsen, Ph.D.やChicago Radiological Society(CRS)の会長であるBojan D. Petrovic, M.D.が出席。また,Presentation of the Outstanding Educator AwardにはDavid M. Yousem, M.D.が,Presentation of the Outstanding Researcher AwardにはCarolyn C. Meltzer, M.D.が選出され,Rao大会長から表彰を受けた。さらに,放射線医学とRSNAの発展に貢献し,惜しまれつつも亡くなったWilliam G. Bradley Jr, M.D., Ph.D.とAlexander R. Margulis, M.D.の功績を讃えるセレモニーが行われた。
このセレモニーに続き,Rao大会長によるPresident’s Address,“How Emerging Technology Will Empower Tomorrow's Radiologists to Provide Better Patient Care”へと進んだ。この講演の中でRao大会長は人工知能(AI)技術が放射線医学に大きなインパクトを与える中で,患者中心の医療を実現するために,放射線科医が何をすべきかに言及。2043年という近未来における放射線科医の姿として,チーム医療における重要な一員となることなどを挙げた。さらに,Rao大会長は,新たに創刊したオンラインジャーナル“Radiology : Artificial Intelligence”など,AI時代のRSNAの取り組みも紹介した。
Rao氏のPresident’s Addressに続き,基調講演Annual Oration in Diagnostic Radiologyとして,ニューヨーク大学ランゴーン医療センターのMichael P. Recht, M.D.による“Artificial Intelligence, Analytics, and Informatics : The Future is Here”が行われた。Recht氏は,放射線情報システムや電子カルテシステム,モダリティから得られるデータを分析して,診療だけではなく,病院経営にも貢献した事例を紹介するなど,ビッグデータ時代において放射線科医が果たすべきデータサイエンティストとしての役割などを説明したほか,MRIの画像処理技術にAIを用いることで,効率的な検査と高精度な診断ができることなどを,自施設の研究を例に挙げて解説した。
なお,RSNA2018は2018年11月30日(金)までの6日間の日程で行われる。RSNAは2018年11月の時点で全世界149か国,5万4000人の会員がおり,RSNA2018にも海外から多くの参加があると見込まれている。
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