2020-4-13
医用画像博覧会2020にあたってインタビューに応じた
プレシジョン ダイアグノシス事業部長の門原 寛氏
フィリップス・ジャパンは,ヘルスケア領域における2020年度の事業戦略において,value based careを中心に,(1)患者のより良い健康の実現,(2)患者・家族の満足度向上,(3)医療従事者の環境の改善,(4)不要な医療コストの削減と収益改善,という4つの目標(ビジョン)を掲げている。これらはグローバルでのリサーチや論文を基に導き出したもので,どの診療科にも当てはまる世界共通のテーマだ。フィリップスでは,この4つの目標に対する課題の解決策を医療現場とともに考え,提案していくことをめざしている。
それぞれの目標を達成するための課題として,(1)予防から診断,治療,フォローアップまでの一連のケアサイクルの中でアウトカムをサポートすること,(2)検査と治療への不安を払拭し,患者に最適な個別化医療をサポートすること,(3)放射線科医の少ない日本の放射線医療において,デジタル化や解析の自動化,開発中の人工知能(AI)などを活用して,医療従事者の負荷を軽減する働き方改革をサポートすること,(4)医療の質を担保しながら,ワークフローの改善や効率的な診断で不要なコストを抑え,収益を上げることをサポートすることを示している。
フィリップスでは,4つの目標の実現をめざして製品やサービス,ソリューションの開発を進めており,その成果である新製品や新サービスが日本国内でもリリースされる。この医用画像博覧会2020でも,“No bounds. Better healthcare.”(境界を取り去り,よりよい医療を)をテーマに,各モダリティの最新情報を紹介する。
MRIは,ヘリウムフリーの「Ingenia Ambition 1.5T」を紹介するほか,最新の臨床アプリケーションである“R5.7”(リリース5.7)の提供を,2020年夏頃から開始する予定となっている。
CTでは,新製品として「CT 6000 iCT」「CT 5000 Ingenuity」の2機種を4月6日に発表。再構成スピードの向上など,スペックを強化したiCTシリーズ,Ingenuityシリーズの最新装置をラインアップすることで,ニーズに合った最適な装置の選択を可能にする。
X線装置では,ハイエンドの一般撮影装置「DigitalDiagnost C90」,柔軟なレイアウトを可能にする血管撮影システム「Azurion 7 C20 with FlexArm」を紹介する。
さらに,超音波診断装置では,「EPIQ Elite」に搭載可能なxMATRIXトランスデューサ「XL14-3」の提供が開始されている。2D/3D/4D表示が可能で,リアルタイム2断面表示などにより,頸動脈プラークなどの詳細な評価が可能だ。
そしてもう一つ,フィリップスにとって2020年の大きなトピックとなるのが,読影PACSビューワ「Vue PACS」だ。フィリップスは,2019年3月にCarestream Health(ケアストリーム)のヘルスケアITシステム(HCIS)事業を買収。それから1年が経過し,日本国内における旧ケアストリーム製品の承認を取得し,完全なインテグレートが完了した。デジタル強化を図るフィリップスが,PACSに本格参入していく。
Oncology領域においても,ヘルスケアITを活用した新しいソリューション「IntelliSpace Precision Medicine」の展開をスタートするなど,ヘルスケア領域におけるデジタル化を加速することで,医療現場を強力にサポートしていく姿勢をアピールしていく。
(文責・編集部)
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