技術解説(ザイオソフト)

2020年8月号

Women's Imaging 2020 最新技術

「Ziostation2」によるMRダイナミック解析

乳房MRI検査の乳がん診断における有用性は,近年広く認知されてきている。特に,ダイナミックMRI検査は,組織における造影剤のwashinとwashoutを確認することで腫瘍の良悪性鑑別に有用とされ,精密検査として用いられている。本稿では,「Ziostation2」に搭載されている“MRダイナミック解析”(図1)について紹介する。

図1 MRダイナミック解析

図1 MRダイナミック解析

 

●非剛体位置合わせを用いた正確なパラメトリックマップとTICの作成

乳房MRIの撮像では,撮像時に同一の姿勢を維持することが難しいため,わずかながら体動による位置ズレが生じる。この位置ズレは,ピクセルベースの計算が行われるパラメトリックマップを生成する上で解決しなければならない課題である。ザイオソフトでは位置ズレに対して,これまでに培った位置合わせの技術を用いて,乳房MRIに特化した非剛体位置合わせ機能を開発した。MRダイナミック解析では,この技術を用いることにより体動による位置ズレを補正し,より正確な解析が可能となる。位置ズレの少ないパラメトリックマップとTime Intensity Curve(TIC)を表示することで,病変内部や周囲組織の血流状態を視覚的かつ定量的に評価できる。また,複数相の解析が行えることから,近年注目されている超早期相でのTICの解析も可能である。

●直感的でスムーズな操作性

データを開くと同時に乳房の形態を認識し,パラメトリックマップを表示する。表示されるパラメトリックマップは,1クリックでwashinとwashoutを切り替えることが可能であり,腫瘍や周囲組織への造影剤濃染について元画像と組み合わせた観察が行える。関心領域は円描画に加え矩形やPOINTで描画可能であることから,病変全体の血流状態に加え局所の細かな血流状態も観察することができる。MRダイナミック解析を用いることにより,複雑な形状を示す病変に対しても正確な診断が期待される。
MRダイナミック解析は,ユーザーが直感的な操作でスムーズな解析を行うことができるアプリケーションであり,日々の診断・読影をサポートすると考える。

 

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TEL 03-5427-1921
URL http://www.zio.co.jp

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