ITEM2024 ホロジックジャパン ブースレポート 
患者・技師・医師への優しさをコンセプトに,ニーズの高まるトモシンセシス検査を支えるソリューションを紹介


2024-5-2


ホロジックジャパンブース

ホロジックジャパンブース

ホロジックジャパンは,「患者への優しさ」「技師への優しさ」「読影時の優しさ」をコンセプトにブースを出展し,トモシンセシスに対応するハイグレードモデルのデジタルマンモグラフィ「3Dimensions」をはじめとしたブレストヘルス関連のソリューションを紹介した。トモシンセシス(3Dマンモグラフィ)のパイオニアであるホロジックの装置は,長年の蓄積を基にしたエビデンスを有することが強みで,トモシンセシスについても,2Dに比較して3Dでは浸潤がんの検出率が約41%増加,偽陽性による要精検率が最大40%減少するといったメリットが報告されている。日本国内では,2024年度の診療報酬改定でトモシンセシス撮影に加算が付き,今後ニーズが高まることが予想される。実際に来場者からは,トモシンセシス機能やその読影を支援するソフトウエア「3DQuorum」に高い関心が寄せられていた。
また,新製品として,薬機法の承認を取得したバイオプシーシステム「Brevera Breast Biopsy System」が披露された。検体採取から標本撮影までを自動化することで,検査ワークフローを改善し,検査時間の短縮や患者負担の軽減につながることをアピールした。

●迅速なバイオプシー検査を可能にするバイオプシーシステム「Brevera Breast Biopsy System」が登場

ブース正面には,新製品のバイオプシーシステム「Brevera Breast Biopsy System」(発売時期未定)が展示された。
装置本体内にシールドルームを備えたBrevera Breast Biopsy Systemは,検体採取から標本撮影までを自動化し,マンモグラフィ下生検をスムーズかつ短時間に実施することができる。マンモグラフィ下生検では通常,採取した複数の検体をシャーレにとり,別のマンモグラフィ装置や標本撮影用X線装置で撮影して病変組織の有無を確認するが,Brevera Breast Biopsy Systemでは,吸引採取された検体がチューブを通ってシールドルーム内にあるシャーレ(12分割されたtissueフィルタ)に送られ,都度X線を曝射,本体に搭載されたモニタに50μmの高精細画像が表示され,リアルタイムに確認することができる。病変を確認できた時点で検査終了となるため,余分に組織を採取する必要がなく,検査時間の短縮,患者の負担軽減につながる。
また,生検針の開口部は20mmと12mmに可変するため,乳房厚が薄い患者にも対応しやすい。なお,生検針を抜去した後にイントロデューサー(外筒管)からマーカーを留置することもできる。

新製品のバイオプシーシステム「Brevera Breast Biopsy System」

新製品のバイオプシーシステム「Brevera Breast Biopsy System」

 

生検針の開口部は20mmと12mmに可変し薄い乳房にも対応

生検針の開口部は20mmと12mmに可変し薄い乳房にも対応

 

●患者・技師に優しい機能や圧迫板を備えたハイグレードモデルの「3Dimensions」

トモシンセシス対応のデジタルマンモグラフィ「3Dimensions」は,高速撮影,高速再構成,高精細なトモシンセシスが可能なハイグレードモデルの装置である。振り角15°(±7.5°)で15枚の画像データを収集するトモシンセシスの撮影時間は3.7秒と高速で,5秒以内にモニタに画像が表示される。2Dにトモシンセシスを加えるコンボ撮影モードでも検査時間が大きく延長することなく,患者の負担を抑えつつ,より多くの情報を得ることができる。2Dとトモシンセシスの画素サイズはいずれも70μmで,トモバイオプシーでは微小な石灰化をしっかりと確認できる。
独自設計の圧迫板「SmartCurve 2」「SmartCurve Mini」も併せて展示し,患者と技師の双方に優しいポジショニングが可能であることをアピールした。SmartCurveは,乳房の形に沿うように圧迫面をカーブ状にし,身体に当たる部分に丸みを持たせた形状で,乳房圧迫時の痛みや不快感の軽減に貢献する。小乳房用のSmartCurve Miniは,圧迫面が長方形ではなく乳房の形に合わせた形となっており,ポジショニング時に技師が手を引き抜きやすい設計となっている。
また,ホロジックのシステムは柔軟にバージョンアップできることも特長の一つである。2D装置として導入した同社の「Selenia Dimensions」を3D対応にバージョンアップすることも可能なことから,点数の加算を機にトモシンセシス導入を検討しているユーザーの要望にも応えられることを紹介した。

トモシンセシス対応のハイグレードデジタルマンモグラフィ「3Dimensions」

トモシンセシス対応のハイグレードデジタルマンモグラフィ「3Dimensions」

 

圧迫の痛みや不快感を軽減する丸みを帯びた形状の「SmartCurve 2」

圧迫の痛みや不快感を軽減する丸みを帯びた形状の「SmartCurve 2」

 

ポジショニングで技師が手を引き抜きやすい「SmartCurve Mini」

ポジショニングで技師が手を引き抜きやすい「SmartCurve Mini」

 

マンモグラフィシステムの操作卓「ユニバーサルコンソール」も展示し,使いやすさをアピールした。タッチパネルと3MPモニタを搭載し,タッチパネルのUIにグラフィックを多用することで直感的な操作を支援する。日本語表示にも対応しているため,エラー時などにわかりやすいこともユーザーから好評を得ている。バイオプシーモードでは,使用する生検針を選択すると針の開口部の位置を自動で計算しグラフィックで表示するため,安全に吸引できるかを視覚的に判断できる。また,指紋認証機能を搭載しており,技師の交替によるアカウント変更も容易に行える。

日本語表示で直感的に操作できる「ユニバーサルコンソール」

日本語表示で直感的に操作できる「ユニバーサルコンソール」

 

●トモシンセシス読影を支援し,医師の負担を軽減する「3DQuorum」

トモシンセシスでは,読影枚数の増加やデータ容量の増大が課題となるが,その解決策として提案しているのが読影を支援するソフトウエア「3DQuorum」である。1mm厚のスライス画像から,3mmごとにオーバーラップした6mm厚の画像「SmartSlice」を再構成するソフトウエアで,画像枚数を1/3に減らし,データ容量を50%以上低減することができる。独自のAI技術「genius AI」により,1mm厚のスライスで見える画像上の特徴を6mm厚の画像上でも描出でき,1mm厚スライスと変わらない診断能を得られるというエビデンスを有している。厚み情報があるSmartSliceは,1mmスライスに比べてコントラストが付きやすいほか,石灰化の分布を把握しやすいといったメリットもある。

トモシンセシス読影の負担軽減に貢献する「3DQuorum」

トモシンセシス読影の負担軽減に貢献する「3DQuorum」

 

●お問い合わせ先
社名:ホロジックジャパン株式会社
住所:東京都文京区後楽1-4-25 日教販ビル
TEL:03-5804-2340
URL:https://hologic.co.jp/


TOP