ITEM2025 根本杏林堂 ブースレポート
ユーザーが求める画像やコントラストを取得するインジェクタの活用をケースレポートで紹介
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2025-5-8

根本杏林堂ブース
根本杏林堂は,機器展示を最新製品であるCT用造影剤自動注入装置「DUAL SHOT GX10」1台のみに絞り,展示の中心に全国のユーザーからのケースレポートを据えた。学会のポスター展示会場のように構成されたブースでは,CT,MRI,アンギオの各造影剤自動注入装置を用いた18ケースのパネル展示を来場者が熱心に読み込んでいた。また,インジェクタのラインアップや機能についてパネルで紹介するとともに,包括的な保守サービス「NemotoCare」をパネルとプロモーション映像で紹介した。
●可変注入法の肝胆膵領域への応用など,造影検査が提供する多彩な臨床価値を紹介
パネル展示では,全国から寄せられたCT(12ケース),MRI(3ケース),アンギオ(3ケース)の計18に上るケースレポートが紹介された。各モダリティメーカーの装置を使用した,さまざまなシーンにおける造影法や臨床例が紹介されており,それぞれクリニカルポイントやテクニカルポイント,臨床画像,造影プロトコールを簡潔にまとめた報告が掲示された。
なかでも造影CT検査の新しいトレンドとして紹介されたのが,可変注入法の肝胆膵領域への応用である。以前より広範囲の3D-CTAに活用されてきた可変注入法を,転移性肝腫瘍や多血性肝細胞がん(HCC)の検出に活用するもので,展示では群馬大学医学部附属病院の市川智章氏と長野赤十字病院の室賀浩二氏からの報告が展示された。このうち,4月12日に行われたランチョンセミナー20でも発表した市川氏の報告「肝・膵領域における可変注入法の実際」では,従来の標準法(注入速度一定法)では2cm以下の多血性HCCの肝動脈優位相(HAP)での検出率は35%にとどまるが,可変注入法を用いることで門脈が造影される前のAPでの早期濃染を確認でき,HAPでの腫瘍造影効果も著明に改善することから,動脈相における腫瘍検出能の向上が期待できることが紹介された。

インジェクタ活用で得られる臨床的有用性をケースレポートで紹介

可変注入法の肝胆膵領域への応用で新たな価値の提供をアピール

CT,MRI,アンギオ検査における18のケースレポートが全国から集まった
●最新のCT用造影剤自動注入装置「DUAL SHOT GX10」が安心・安全な検査を提供
唯一の実機展示としてブース中央に置かれたのが,2024年に発売した最新のCT用造影剤自動注入装置「DUAL SHOT GX10」である。インジェクタへの簡単なシリンジセットやわかりやすい操作性といったユーザーフレンドリーな特長を前機種から継承しつつ,ヘッド部分のデザインを一新して小型・軽量化することで,さらに取り回しが容易になっている。加えて,造影条件を検査室内で確認できる「圧力監視モニター」や,患者体格を考慮した「AdBW(Adjustment Body Weight Protocol)」を標準搭載することで,安全性や造影剤投与の最適化を実現している。また,RISやPACSと連携して患者情報や造影情報を送受信し,造影前の副作用のチェックや,正確な記録を可能にする「CEエビデンスシステム」と,近赤外線を利用して造影剤の血管外漏出を検知する「造影剤モレ検知サポートシステムLD」がオプションで提供される。さまざまな検査環境に対応し,さらなる安全性や正確性の向上に貢献するインジェクタとしてアピールした。
このほかのラインアップとして,完全非磁性体構造の超音波モーターや,部位選択方式・体重入力方式を採用したコンソールを搭載したMR用造影剤自動注入装置「Sonic Shot 7」や,造影剤と生理食塩水を独自設計のチューブ「SPIRAL FLOW」でミキシングし,同時注入により手間なく最適な造影を実現するデュアルタイプ(二筒式)のアンギオ用造影剤自動注入装置「PRESS DUO elite」をパネルで紹介した。

2024年発売のCT用造影剤自動注入装置「DUAL SHOT GX10」

安全な検査実施を支援する「造影剤モレ検知サポートシステムLD」と「CEエビデンスシステム」の紹介

「Sonic Shot 7」などインジェクタのラインアップはパネルで展示

造影剤と生理食塩水の同時注入が可能なアンギオ用造影剤自動注入装置
「PRESS DUO elite」
●包括的な保守サービス「NemotoCare」で医療機関の負担を軽減
インジェクタ導入後のサポートにおいては,2022年度より新しい保守サービスプランである「NemotoCare」へと移行しており,ブースではその概要をパネルとプロモーション映像で紹介した。従来,保守サービスとして年1回の定期法令点検を提供してきたが,NemotoCareではテクニカルサポートや修理サービス,部品保証などを包括的に提供することで,医療機関の負担を軽減しながら継続的に最新の状態を維持できるようにすることをめざしている。
提供されるサービスの一つであるノンストップ修理サービスでは,製品の修理が必要となった際に代替機を貸し出して検査のダウンタイムを最小化し,修理後に元の状態へ迅速に復旧する。また,製品を長く使用するユーザーも多いことから,部品の保証も充実させている。製品の製造終了後7年まで,無償にて保証部品が提供される。ほかにも,機器の操作や造影手順,学術的なサポートを提供し,ポータルサイトでも最新情報を提供するテクニカルサポートや,ソフトウエアのバージョンアップや造影プロトコルを提供するソフトウエアサポートを提供。これらのサービスにより,常に安心して製品を使い続けることができる。

医療機関の負担を軽減する包括的な保守サービス「NemotoCare」
●お問い合わせ先
社名:株式会社 根本杏林堂
住所:東京都文京区本郷2-27-20 本郷センタービル3階
TEL:03-3818-3541
URL:https://www.nemoto-do.co.jp/