ITEM2025 ニプロ ブースレポート
定量的冠血流量比解析プログラム「Medis QFR」のハンズオンやCardiology総合管理ソリューション「GOODNET」の新機能のデモンストレーションを展開
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2025-5-1

ニプロブース
ニプロは,2024年に保険適用された定量的冠血流量比解析プログラム「Medis QFR」(Medis Medical Imaging社製),またグループ会社であるグッドマン社のCardiology総合管理ソリューション「GOODNET」に新たに搭載されたカテーテル室のスケジューリングシステム「G-Scheduler」,DICOMビューワ「GoodView」で下肢画像を自動結合する「G-Joint」などを中心に展示した。Medis QFRは,2方向のアンギオ画像のみで冠動脈の定量的冠血流量比(QFR)を非侵襲的に算出でき,すでに欧米では多くの患者に使用されている。日本では2024年1月の保険適用後,多くの施設で導入が進められている。ブースでは,導入を検討する施設がMedis QFRの解析を体験したり,すでに導入ずみの施設が匿名化した自施設のデータを持ち込み,操作上のアドバイスを受けられるハンズオンコーナーが設けられ,来場者にQFRの有用性がアピールされた。
●シンプルかつ直感的に操作可能な定量的冠血流量比解析プログラム「Medis QFR」
Medis QFRは,血管解析プログラム「QAngio XA」のアルゴリズムを踏襲し,2方向から撮影されたアンギオ画像のみを用いて3Dの血管モデルを構築し,独自のアルゴリズムによってQFRの値や狭窄率,病変長,血管の屈曲角度(Bending Angle)などを簡単に算出できる。機能的な心筋虚血の評価法である冠血流予備量比(FFR)は,冠動脈にプレッシャーワイヤを直接挿入して病変前後の血管内圧を測定するため侵襲性が高い。また,ATP(アデノシン三リン酸)や塩酸パパベリンなどの血管拡張薬の投与が必要となる。しかし,Medis QFRはこれらの処置が不要なため,侵襲性に加え手技時間やコストの面でもメリットが大きい。QFRの値がカラーで血管像に表示され直感的に把握できるほか,3Dモデルはマウス操作で多方向から観察できるなど,術中解析,オフライン解析ともにシンプルで直感的なワークフローが特長である。ECGまたはAIによる解析フレーム候補の自動検出や撮影画像のオフセット補正機能,自動輪郭抽出などの解析補助機能を搭載する。また,血管内の造影剤を自動追跡し,患者固有のフローで測定するため,再現性の高い解析結果を提供する。すでに撮影ずみの検査では,選択した画像に対して3D構築が可能な角度で撮影された画像のみ表示する画像選択ツールにより,画像選択に要する時間を短縮できる。なお,Medis QFRはマルチベンダー対応だが,GOODNETとの組み合わせによりアンギオ装置から受信した画像をオンデマンドに解析可能である。
ブース内では,Medis QFRによる解析のハンズオンコーナーが設けられ,プレッシャーワイヤによる自施設の計測データを用いてMedis QFRによる解析との比較を体感できたほか,Medis QFRを導入した施設に対しては,匿名化した自施設データを基に適切な画像の選択や輪郭の修正,病変判定など,操作上のポイントについてアドバイスが受けられた。

定量的冠血流量比解析プログラム「Medis QFR」

ハンズオンコーナーでは,解析フローに沿ってQFR算出までの手順を体験できる。
●オンライン上で管理可能なカテーテル室のスケジューリングシステム「G-Scheduler」
Cardiology総合管理ソリューションのGOODNETは,2000年の発売以降,国内350以上の施設で導入されている。最新バージョン「GOODNET 7」は使いやすさを追求したほか,医療現場の安全性や働き方の改善といったユーザーニーズの実現をめざし,新たな機能が開発・搭載されている。新たに搭載されたG-Schedulerはカテーテル室のスケジューリングシステムで,オンライン上でカテーテル室の予定を編集・管理できる。煩雑になりがちなカテーテル室のスケジューリングにおいて,無理のない予定管理や緊急対応の可否の確認などがカテーテル室外でも可能なほか,患者ごとの穿刺部位やアレルギー・感染症情報などを病棟看護師などの関係者が把握できる。また,DICOMビューワのGoodViewは画像閲覧だけではなく,IVUS,OCTの長軸画像構築や簡易計測,資料作成には欠かせない各種ファイルのフォーマット変換など,多彩な機能を搭載している。ブースでは,下肢のパンニングされた動画像から下肢長尺画像をワンクリックで自動構築する下肢結合機能が紹介された。

Cardiology総合管理ソリューション「GOODNET」

Web上で操作・入力が可能なカテーテル室のスケジューリングシステム「G-Scheduler」

DICOMビューワ「GoodView」上の下肢結合機能

GOODNETシステムの入り口となる「G-NAVI」
●柔軟なカスタマイズが可能なレポーティングシステム
レポーティングシステムは,DICOM画像やオーダーからの患者情報,QCAなどの解析結果を取得し,検査情報を総合的に管理する。日本PCIレジストリ(J-PCI)登録に必要なデータがワンボタンで生成できるなど,従事者にとって有用な機能を提供する。FileMakerプラットフォーム上で構築され,柔軟性が高く,施設ごとのニーズに応じたカスタマイズが可能である。導入前のヒアリングを基にシステムを構成するが,導入後の変更にも1年間無料で対応するほか,保守管理契約により随時アップデートや調整に対応する。
●循環器領域をカバーする多彩な解析アプリケーションを提供
QCA,LVA解析などが可能な統合型血管解析システム「Medis Suite XA」,「CAAS」やIVUS,OCT解析にも対応する血管内イメージング解析システム「QIvus」などの解析アプリケーションのデモンストレーションも行われた。これらの解析アプリケーションはマルチベンダー対応で単体でも提供可能だが,GOODNETと連携することで解析結果データと元画像を一括で管理できる。カテーテルメーカーという特性を生かし,循環器領域でのオールインワンなソリューションを展開している。

循環器領域の各解析アプリケーションのデモンストレーション展示
●お問い合わせ先
社名:株式会社グッドマン
住所:〒465-0092 名古屋市名東区社台3丁目182番地
TEL:0120-864-522
URL:https://www.goodmankk.com/goodnet/