ITEM2025 アンフォースレイセイフ ブースレポート 
主力製品の診断用多機能型X線測定器「RaySafe X2シリーズ」を中心に展示するとともに,線量管理の重要性をアピールする資料を提供


2025-5-8


アンフォースレイセイフと長瀬ランダウアのブース

アンフォースレイセイフと
長瀬ランダウアのブース

アンフォースレイセイフは,今年も提携グループ企業の長瀬ランダウアと共同でブースを出展し,共通テーマである「次のステージへ」を掲げて医療従事者や患者の被ばく低減に寄与する製品やサービスを紹介した。特に,今年は診断参考レベル(DRLs)の改訂が予定されていることなども踏まえ,X線測定の方法や線量管理の重要性を啓発する資料を充実させ,来場者にアピールした。製品としては,主力製品の診断用多機能型X線測定器「RaySafe X2シリーズ」や,ポケットサイズの多機能X線測定器「RaySafe ThinX」,ハイブリッドサーベイメータ「RaySafe452」,医療スタッフ用リアルタイム被ばくモニタリングシステム「RaySafe i3」などを展示。RaySafe X2シリーズでは新機能が追加されたことが紹介された。
また,長瀬ランダウアのコーナーでは,同社の主力製品である被ばく線量測定用の各種バッジのほか,防護商品として,鉛フリーレンズを使用したX線遮蔽メガネ「V-tect」が展示された。

●診断装置用X線測定器:「RaySafe X2」の新機能「mAsディレイ」や,線量管理の重要性などを中心にアピール

RaySafe X2は,コンパクトかつ良好な操作性と優れた測定精度を両立した診断用X線装置の品質保証(QA)・品質管理(QC)用測定器。大型のタッチスクリーンを搭載し,スマートフォンのような直感的な操作が可能なベースユニットと,各種モダリティ用のセンサで構成されている。センサは,一般撮影・透視用の「R/Fセンサ」,CT用の「CTセンサ」,マンモグラフィ用の「MAMセンサ」,モニタなどの輝度・照度測定用の「ライトセンサ」,漏洩線量・散乱線量測定用の「サーベイセンサ」と複数モダリティに対応しており,USBでベースユニットに接続すれば自動で認識され,センサに応じた測定が可能となる。使い方も簡単で,X線が当たる位置にセンサを置き,ベースユニットの電源を入れてセンサにX線を照射するだけで自動で測定が行われる。ブースでは,測定に必要なCTファントムも展示され,同社が各種測定をサポートするアクセサリー類も取り扱っていることがアピールされたほか,RaySafe X2のCTセンサを用いたCTDIの測定方法をレクチャーする動画がモニタで上映された。また,RaySafe X2のmA/mAs測定機能に,新たに「mAsディレイ」(オプション)が追加されたことが紹介された。これにより,例えば放射線治療装置での15mの長いmAsケーブルを使用した測定において,突入電流によるピークをディレイ時間の設定によって除去したmAs測定が可能となる。

診断用多機能型X線測定器「RaySafe X2」(右)と特定ニーズ向けの「RaySafe X2 Solo」(左)

診断用多機能型X線測定器「RaySafe X2」(右)と特定ニーズ向けの「RaySafe X2 Solo」(左)

 

CTDIの測定方法を動画で紹介

CTDIの測定方法を動画で紹介

https://www.youtube.com/watch?v=WenucF_Gowo

 

このほか,X線測定器としては,特定ニーズ向けの「RaySafe X2 Solo」とポケットサイズの「RaySafe ThinX」が展示された。RaySafe X2 Soloは,一般撮影装置および透視装置用の「RaySafe X2 Solo R/F」と歯科用X線装置用の「RaySafe X2 Solo DENT」がラインアップされており,RaySafe X2と同様の使い勝手で使用することができる。RaySafe ThinXも,測定器にX線を照射するだけで,線量,線量率,管電圧(kVp),半価層(HVL)などの基本的なパラメータを同時に測定することができる。X線照射を検出すると自動で電源がオンになり測定が開始されるため,使い勝手が良く,ポケットサイズで持ち運びしやすい点も特長となっている。

ポケットサイズの多機能X線測定器「RaySafe ThinX」

ポケットサイズの多機能X線測定器「RaySafe ThinX」

 

さらに,今回の展示では,診断装置用X線測定器に関する新たな取り組みとして,線量管理の重要性を訴求する資料が提供された。医療機関の管理者は医療機器の安全管理体制の確保が求められ,被ばく線量の管理や記録の重要性が認識されているが,線量管理が適切に行われていない医療機関も少なくないのが現状である。この背景として,放射線装置の表示値を測定する機器を所有していない,所有していても校正を行っていない,測定方法が不明,人員や時間が確保できないなどの課題があり,X線測定器が適切に管理されていないことも問題となっている。資料では,このような線量管理に関する現状や課題,測定についての概要がわかりやすくまとめられており,線量管理の重要性を再認識するための一助となるような内容となっている。また,アンフォースレイセイフでは,X線測定器の点検・校正のためのサービスプログラムを提供しており,これに加入することでX線測定器を常に高い精度で維持できることなどがアピールされた。

線量管理の重要性を訴求する資料を配付

線量管理の重要性を訴求する資料を配付

 

X線測定器の点検・校正のためのサービスプログラムを提供

X線測定器の点検・校正のためのサービスプログラムを提供

 

●複数の医療スタッフの被ばく線量をリアルタイムに測定可能なリアルタイム被ばくモニタリングシステム「RaySafe i3」

医療処置に伴う放射線被ばくのうち,特にIVRの被ばく量の多さが課題となっており,さまざまな防護対策が行われている。医療従事者自身が手技中に適切な被ばく回避行動を取ることも重要となるが,そのためには,リアルタイムの被ばく状況を把握することが求められる。RaySafe i3は,リアルタイムディスプレイと小型かつ軽量な個人線量計(PDM)4個(標準),個人線量計に記録された被ばく状況を解析するためのPC用ソフトウエア「DoseViewer」(標準)および「DoseManager」(オプション)で構成されている。PDMをポケットなどに装着するだけで,1秒ごとの個人線量当量率と累積個人線量当量率をリアルタイムに測定・記録。測定データは無線でリアルタイムディスプレイに転送され,最大8人の被ばく状況がバーグラフで個別にわかりやすく表示される。また,保存されたデータをPCに取り込み,専用ソフトウエアを用いて一定期間の総被ばく量の表示や経時的なトレンド解析なども行うことができる。なお,RaySafe i3では,PDMの電池交換をユーザー自身が行えることもメリットとなっている。

医療スタッフ用リアルタイム被ばくモニタリングシステム「RaySafe i3」

医療スタッフ用リアルタイム被ばくモニタリングシステム「RaySafe i3」

 

●サーベイメータ:半導体とGM管によるハイブリッド式サーベイメータ「RaySafe452」を中心に展示

放射線測定用サーベイメータは,半導体とGM管によるハイブリッド式サーベイメータRaySafe452と,電離箱式の「Fluke 451」の2種類が展示された。これらのうち,RaySafe452は,半導体式測定器とGM管式測定器を1台に統合しており,測定対象によって検出器部分(リッド)を付け替えるだけで幅広い測定対象に対応することができる。表面汚染検出やX線管からの漏洩線量測定,放射線管理区域内の環境放射線測定,撮影室内の散乱線測定などが可能。また,半導体技術によって,電離箱式サーベイメータでは測定できなかった放射線の平均エネルギーなどの測定も可能である。重量は800gと軽量で,片手でも電源のON / OFFや測定値の保存,保存した値の確認などが行えるほか,三脚に固定して使用することもできる。また,背面の大型ディスプレイは視認性に優れ,電源を3秒長押しすることで高速に起動し,測定を開始できることも特長となっている。

半導体とGM管によるハイブリッド式サーベイメータ「RaySafe452」(左)と電離箱式の「Fluke 451」

半導体とGM管によるハイブリッド式サーベイメータ「RaySafe452」(左)と電離箱式の「Fluke 451」

 

●長瀬ランダウアは,新たに鉛フリーレンズ使用のX線遮蔽メガネ「V-tect」を紹介

長瀬ランダウアは,主力製品である個人および環境用被ばく線量計「ルミネスバッジ」や,手指用被ばく線量計「リングバッジ」,眼部用被ばく線量計「ピジョンバッジ」などに加え,2024年に販売を開始した鉛フリーレンズ使用のX線遮蔽メガネ「V-tect」が紹介された。側面まで覆う形状になっており,ユーザー自身が側面部分に簡単に遮蔽材を追加可能(オプション)。これにより,側方からの散乱線を効果的に遮蔽することができる。また,オーバーグラスタイプのためメガネの上から装着できるほか,ヘッドバンドやズレ防止ゴムなどによって,快適に使用することができる。

主力製品である被ばく線量測定用の各種バッジ

主力製品である被ばく線量測定用の各種バッジ

 

鉛フリーレンズ使用のX線遮蔽メガネ「V-tect」

鉛フリーレンズ使用のX線遮蔽メガネ「V-tect」

 

遮へい材有無の比較

遮へい材有無の比較

 

 

●お問い合わせ先
社名:アンフォースレイセイフ株式会社/ 長瀬ランダウア株式会社
住所:東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟6階/ 茨城県つくば市諏訪C22街区1
TEL:03-4540-4009/ 029-839-3322
URL:https://www.raysafe.com/
   https://www.nagase-landauer.co.jp/


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