Ubie,対話を通じて適切な医療行動をサポートする医療AIパートナー「ユビー」を提供開始
—医療迷子の半減をめざす「医療迷子レスキュープロジェクト」を発足

2025-9-17

AI(人工知能)


医療迷子を解決する医療AIパートナー「ユビー」の提供開始を発表

医療迷子を解決する医療AIパートナー
「ユビー」の提供開始を発表

Ubie(株)は,医療特化型AIが適切な情報提供と医療行動をサポートする医療AIパートナー「ユビー」の提供を2025年9月16日(火)より開始し,同日,サービスに関する発表会をTODA HALL & CONFERENCE TOKYO(東京都中央区)で開催した。
Ubieは2017年に創業したヘルステックスタートアップで,共同代表取締役で医師の阿部吉倫氏が研修医時代に「患者が自己の判断で適切な医療にかかるのは難しい」と感じた経験から,「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ,AIをコア技術としたサービスを展開してきた。これまでに,医療機関向けのAI問診サービス(2017年)や生成AIサービス(2024年),生活者向けの症状検索サービス(2020年)や疾患・治療情報検索サービス(2023年)などを提供し,AI問診サービスは1800以上の医療機関に導入,生活者向けの検索サービスは月間1300万人以上が利用している。

阿部吉倫 氏(共同代表取締役)

阿部吉倫 氏(共同代表取締役)

 

今回提供を開始したサービスは,これまで培ってきたAI技術基盤と生活者向け検索サービスで得られた知見を基に開発された。利用者が無料のスマホアプリ「ユビー」(iOS/Android対応)をダウンロードして,健康状態などについてAIと自然な言葉で継続的に会話することで,医療特化型AIが個人の状況を理解・把握し,医療の各段階で適切な行動が取れるように伴走する。現役医師の監修や情報参照元の厳格化による信頼性,個人の状況に応じて受診すべき診療科や医師に伝えるべきポイントなどを提案する実用性,継続的な利用やマイナポータルとの連携により個人に最適化された案内を提供する個別性を特長とする。

発表会で登壇した阿部氏は,本サービス開発の背景に「医療迷子」の課題があると述べ,その実態を紹介。現在は早期発見すれば治療可能な疾患が多いものの,患者・医療者間の情報の非対称性や社会のデジタル化の加速により,国民の72%が症状認知や情報収集,受診,診断,治療の各段階で適切な医療行動が取れない医療迷子を経験していることから,その解決に向けて医療AIパートナー「ユビー」を提供し,日常医療や高度医療に適切につなげるサポートをしていくとした。阿部氏は,「本サービスの提供により,月間利用者数を現在の1300万人から3000万人へと拡大し,2030年までに医療迷子の半減をめざす」との展望を語った。
また,スキルス胃がん患者・家族会であるNPO法人希望の会理事長の轟 浩美氏が登壇し,医療迷子に陥る理由を患者・家族の視点から解説した。轟氏は,進行が早いスキルス胃がんは早期発見が難しいことや,AYA世代患者では受診科の判断が難しいこと,自身の経験からしか検索ワードを選べずインターネットでの情報収集に限界があるといったことから医療迷子になってしまう患者の状況を説明し,伴走者や信頼できる道しるべの必要性を強調した。
このほか発表会では,Ubie体験開発担当者の渡辺智保子氏が医療AIパートナー「ユビー」の説明・デモンストレーションを行ったほか,東京都医師会参与の目々澤醫院院長の目々澤 肇氏が動画で出演した。目々澤氏は医療特化型AIへの期待として,患者の訴えから客観的な症状を時系列的にまとめることや,的確な医療機関の受診に結びつけることを挙げ,今後,医師不足や医療機関不足が起こる中で,ファーストタッチとして医療特化型AIを活用することも大切だろうと述べた。

轟 浩美 氏(NPO法人希望の会理事長)

轟 浩美 氏(NPO法人希望の会理事長)

 

自然な言葉による対話を通して,個人に最適化された医療行動が取れるように伴走

自然な言葉による対話を通して,個人に最適化された医療行動が取れるように伴走

 

状況に応じた医療機関など適切な医療を案内

状況に応じた医療機関など適切な医療を案内

 

また,Ubieは新サービス提供開始に合わせて「医療迷子レスキュープロジェクト」(https://ubie.life/medical-maigo )の発足を発表した。同プロジェクトを,生活者を中心に医療機関や国・行政,ヘルスケア企業,アカデミアなど,医療・健康にかかわるステークホルダーが連携するためのハブとすることで,調査による実態解明や事例の蓄積・共有,啓発活動などを推進し,医療迷子の解決をめざしていく。

*Ubie実施の「医療アクセス実態調査2025」より

 

●問い合わせ先
Ubie(株)
https://ubie.life/

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