キヤノンIM,高齢者の運動測定を効率化する“ロコモヘルパー”を発売し,介護予防事業所向けソリューション事業に参入

2016-5-31

キヤノン


運動機能測定システム“ロコモヘルパー”

運動機能測定システム“ロコモヘルパー”

キヤノンITSメディカル(株)(以下キヤノンIM)は,介護スタッフによる高齢者の運動測定を効率化する,自社開発の運動機能測定システム“ロコモヘルパー”を2016年6月1日より発売し,介護予防事業所向けソリューション事業に参入する。キヤノンマーケティングジャパン(株)(以下キヤノンMJ)は,グループ横断的な体制で運動機能測定システム“ロコモヘルパー”の販売・サポートを展開していく。

厚生労働省は「健康日本21」において,今後の超高齢化社会における健康寿命を延伸するため,「ロコモティブシンドローム(運動器症候群,以下ロコモ)」の啓発活動に注力することを公表している。この動向から近年,介護予防事業所などでは高齢者の健康状態を把握するため,ロコモの判断基準となる開眼片足立ち・椅子の立ち座り・最大一歩などの運動を介護スタッフが定期的に測定し,高齢者やその家族に運動指導をしている。この運動測定では複数名の介護スタッフが高齢者を補助しながら,ストップウォッチやメジャーを使った手作業での測定を行っている。また,運動測定後はその結果を評価・改善レポートとして作成,加工する一連の業務があり,効率化が求められている。

新製品“ロコモヘルパー”は,Microsoft社の赤外線深度センサーカメラ「Kinect」が認識した利用者の骨格情報から,ロコモの判断基準となる代表的な運動種目※1ごとに骨格の動きをデジタイズして自動測定,評価,記録する。また,測定結果のレポートを自動で作成する機能を有しており,介護スタッフの運動測定に関わる業務を効率化することができる。さらに,録画機能により運動測定時の動画データを振り返ることができるため,運動測定後の確認や分析補助ツールとしても活用することができる。

キヤノンIMは,キヤノンITソリューションズ(株)が研究開発した要素技術を組み込んだライブラリーをもとに“ロコモヘルパー”を開発※2した。この実証実験先として,介護事業などを展開する(株)ソラストと社会福祉法人聖隷福祉事業団の聖隷藤沢ウェルフェアタウンが協力し,利用者および介護スタッフから高い評価を得ている。また,(株)ソラストは,キヤノンシステムアンドサポート(株)を通じて全国の通所介護サービス46事業所に“ロコモヘルパー”を導入し,6月以降順次運用を開始する。
キヤノンIMが開発,発売する“ロコモヘルパー”は,キヤノンMJの介護業界を担当する直販部門のほか,キヤノンシステムアンドサポート(株)が連携し,グループ横断的に販売・サポートを展開していく。

※1 厚生労働省の介護予防マニュアルなどに準拠
※2 (監修)慶応義塾大学体育研究所 山内賢准教授

●運動機能測定システム“ロコモヘルパー”の特長

1.高齢者の運動測定を省力化,簡単に自動測定
ロコモヘルパーでは,Microsoft社の赤外線深度センサーカメラ「Kinect」が認識した利用者の骨格情報を入力情報とするため,利用者は運動測定のために特別なセンサーを着用する必要はない。運動による骨格の動きから,運動種目ごとの「片足立ちの時間・高さ」「歩行速度」「椅子立ち座り回数」などを自動測定・評価・記録する。また,介護スタッフのスキルに依存しない客観的なデータ収集を実現できるだけでなく,介護スタッフの測定業務における作業負荷を軽減し,その効率化を実現する。

2.評価レポート作成を自動化
前回の測定結果と対比したレポートを自動で作成できる。従来は,測定記録を紙やパソコンなどに手入力し,運動機能の改善動向のレポートを作成していたが,この一連の業務を自動化により効率化する。また,レポートはExcelで保存でき,介護スタッフの個別フリーコメント入力もできる。

3.運動測定の録画で記録を保管
運動測定の記録に加え,測定状況を録画する機能を標準で搭載しているため,測定数値と測定動画を対で保管する。運動測定記録を動画で振り返ることができるので,測定後に介護スタッフによる解析・照合・確認が円滑に行えるようになる。

 

●問い合わせ先
キヤノンITSメディカル(株)
事業企画室
TEL 03-6701-3612(直通)
運動機能測定システムホームページ:www.canon-itsmedi.co.jp/solution/welfare/locomohelper.html

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