セント・ジュード・メディカル,複雑な病変を有する患者さんのPCI最適化を目指す新型PressureWire™ X Guidewireを日本で上市
〜心筋血流予備量比(FFR)テクノロジーにより,経皮的冠動脈形成術(PCI)に伴う患者さんの予後の改善と医療費削減を目指す〜
2016-12-19
セント・ジュード・メディカル(株)は,12月19日,新たな心筋血流予備量比(FFR)計測システムPressureWire™ X Guidewireの日本での上市を発表した。何世代にも渡り改良をしてきた,この新たなPressureWire™ X Guidewireは,血管損傷リスクを軽減するためシェイピングの付けやすさ及び形状保持力が向上する設計を採用し,特に複雑な病変を有する患者さんに対して精度が高く簡便にPCIを行えることが期待できる。
PCIは,最も一般的な心疾患である冠動脈疾患(CAD)患者様の冠血流の閉塞を解消し血流を回復させるための非外科的手技。医師は,PressureWire™ X Guidewireを使用したFFR測定により,冠動脈狭窄の重篤度を確認することができ,これにより,さらに正確な診断と患者さんに対するより適切な治療法決定の実現が可能になる。日本では年間約26万件のPCIが実施されているが,FFRガイダンスの使用は5件に1件にとどまる。*
東京医科大学八王子医療センター循環器内科の田中信大氏は,「これまでの臨床研究から,FFRは冠動脈病変の評価,治療方針の決定において,最も重要なツールのひとつだと確認されています。新型PressureWire™ X Guidewireの先端のデザイン改良と形状保持性の向上により,日常臨床において,よりFFRが活用しやすくなることが期待されます。」と,述べている。
セント・ジュード・メディカルのFAME試験で得られた一連の結果から,PCIを受けた患者様の死亡リスクまたは心臓発作リスクの軽減,FFRガイド下で治療を受けた患者様の医療費削減も示された。FAME2試験の主要評価項目である2年間のデータから,FFR値0.80以下で1カ所以上の有意な冠動脈病変がある患者さんにおいて,FFRガイド下PCIプラス薬物療法は,薬物療法のみの場合と比べ緊急血行再建術を77%減少させることが示された。2015年にはFAME試験の5年間のデータから,FFRガイド下PCIには,アンジオガイド下の介入を上回る持続的な長期的効果があることが確認された。
セント・ジュード・メディカルのチーフメディカルオフィサー兼グローバルメディカルアフェアーズのバイスプレジデント,マーク・カールソン氏は,「セント・ジュード・メディカルは,十分な臨床データに裏付けられ,従来のPCIガイドワイヤーに匹敵する操作性能を持つFFRガイドワイヤーテクノロジーの提供に取り組んでいます。新たなPressureWire™ XGuidewireは,患者様のため最善の治療決定を支援する,費用効果が高く使いやすい技術を医師に提供したいという私たちの熱意のあらわれです。さらには,医師が測定結果への自信を強めれば,患者様も安心することができます。」と,述べている。
【心筋血流予備量比(FFR)について】
FFRは,冠動脈狭窄(または病変)における血行動態の重症度を判断するために使用される生理学的指標であり,同社のPressureWire™ Aeris™ およびPressureWire™ Certus™を用いて測定される。FFRは特にどの冠動脈狭窄が患者様の心筋への血流を妨げる(虚血)原因となるのかを特定する。またPCIを行う心臓専門医が,どの病変にステント留置が必要であるかの決定を行う際の指針として役立ち,結果として,患者さんの予後改善と医療コストの削減をもたらすことになる。
*矢野経済研究所
●問い合わせ先
セント・ジュード・メディカル(株)
http://www.sjm.co.jp/