富士フイルム,血管透析のシャント管理に有用な自動血流量測定機能を搭載したラップトップ型超音波画像診断装置「FC1-X V3.0」新発売
〜より簡便なステップで,シャントの機能評価が可能〜

2018-12-10

超音波

富士フイルム


富士フイルムメディカル(株)は,FUJIFILM SonoSite, Incのラップトップ型超音波画像診断装置「FC1-X(エフシーワン エックス)」に,透析で定期的に行われているシャント(*1)管理をより簡便に行える自動血流量測定機能を新たに追加した,「FC1-X V3.0」を,12月17日より発売する。
なお,「FC1-X V3.0」を,来年1月20日(日)にベルサール飯田橋ファースト(東京都文京区)で開催される「第12回 Vascular Access 超音波研究会」に出展する。

近年,国内の透析患者数はいまだ増加傾向にある(*2)。 末期腎不全に陥ると透析または腎移植いずれかの腎代替療法を行う必要があるが,日本では95パーセント以上の患者が血液透析を選択しており,血液透析は生涯にわたって行われる(*3)。血液透析を行う際は,十分な血流を得るために動脈と静脈をバイパスさせたシャントと呼ばれる人工血管を作成する。長期間に亘って透析を維持するため,超音波装置を用いて,シャントの機能や形態を定期的に評価する。

今回発売するラップトップ型超音波画像診断装置「FC1-X V3.0」は,新たに自動血流量測定機能を搭載し,簡便な操作でシャントの機能評価ができるようになった。シャントの機能評価は,超音波装置を用いて,RI値(*4),PI値(*5),単位時間あたりの血流量測定を行い,「血流量の低下」「血管の狭窄の伸展」「血管抵抗の増大」を確認して行う。本製品は,煩雑な操作をすることなくシャントの機能評価に必要な項目を一画面に表示することで,医師の作業効率の向上に貢献する。

富士フイルムは,透析向けにシャント部の観察や管理のために行われるシャントエコー専用のプリセットを追加したラップトップ型超音波画像診断装置「FC1-X」を2017年に発売した。今回新たに自動血流量測定機能を追加したことで,シャントの日常管理により適したポータブルエコーとして利用の拡大が期待される。

さらに,富士フイルムメディカルは,昨年12月から,医療従事者向けにバスキュラーアクセスエコー情報配信サイト「やまびこ塾(http://fms.fujifilm.co.jp/yamabiko/ )」において,バスキュラーアクセスエコーにおける超音波の活用方法を紹介し,超音波を用いたシャント管理をサポートしている。

富士フイルムは「先進・独自の技術をもって,人々の生活の質のさらなる向上に寄与していく」という企業理念のもと,医療現場を効率的かつ広域的に支援することで,医療の質の向上,人々の健康の維持増進に貢献する。

*1 大量の血液の取り出し口となる人工血管
*2 「わが国の慢性透析療法の現況」より(一般社団法人 日本透析医学会)
*3 「臓器移植ファクトブック2017」より(一般社団法人 日本移植学会)
*4 抵抗係数(RI)とは収縮期最大速度(PSV)と拡張末期血流速度(EDV)の差を収縮期最大速度(PSV)で除した値で,末梢血管抵抗を評価する指標として用いられる。
*5 拍動係数(PI)とは収縮期最大速度(PSV)と拡張末期血流速度(EDV)の差を時間平均最大血流速度(TAMV)で除した値で,RI値とあわせて血管抵抗の増大を評価する指標とされる。

 

●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
営業本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fms.fujifilm.co.jp/

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