インテグリティ・ヘルスケア,YaDocと「あじさいネット」を連携
地域医療連携ネットワークシステム閉域網からYaDocを使ったオンライン診療が可能に
2020-8-11
(株)インテグリティ・ヘルスケアは,特定非営利活動法人長崎地域医療連携ネットワークシステム協議会(以下,あじさいネット)と,両社が有する疾患管理システム「YaDoc(ヤードック)」と長崎地域医療連携ネットワークシステム「あじさいネット」との連携を開始することを発表した。稼働は,2020年の秋頃の予定。
「あじさいネット」は,ネットワークを介し,医療機関同士で診療情報の相互参照が可能な,国内でトップクラスの地域医療連携ネットワークシステム。セキュリティに関してはVPN技術を導入しており,この度の連携が実現すれば,「YaDoc」をこの閉域網から利活用できるようになる。
「YaDoc」は,「モニタリング」「オンライン問診」「オンライン診療」の3つの機能を有する疾患管理システムとして全国約2500の医療機関に導入されている。「あじさいネット」との連携により,「あじさいネット」の利用端末から,オンライン診療を実施できるだけでなく,将来的には,患者が入力した問診情報や,血圧,体重,体温のようなPHR(Personal Health Record)を必要に応じて地域で共有できるようになり,地域医療の質の向上や臨床研究支援などへの貢献が期待される。
●NPO法人長崎地域医療連携ネットワークシステム協議会会長 小尾重厚氏のコメント
「COVID-19対策としてのオンライン診療」
COVID-19の感染拡大により地域医療は危機に直面しています。患者さんにとって医療機関は感染リスクが高い公共施設であり,医療従事者は無症状感染患者の受診による院内感染を危惧しています。オンライン診療は,対面診療には劣るものの,感染リスクを減らしながら必要な診療を提供する方法の一つであり,すくなくともコロナ禍では有効かと思いますが,比較的利用料が高いのが問題でした。このためあじさいネットはインテグリティ・ヘルスケア社と契約し,会員向けの安価なサービス提供が可能となりました。
●長崎大学病院医療情報部副部長/NPO法人長崎地域医療連携ネットワークシステム協議会理事 松本武浩氏のコメント
「病院でのオンライン診療にも期待」
新型コロナ感染が広がる中,安全に受診できる方法はオンライン診療だけです。もちろんこれだけでは不十分なケースはありますが,工夫すれば,かなり多くの診療パターンに対応できるものと思われます。オンライン診療は都市部の診療所中心に広がっていますが,あじさいネットでは病院での本格的利用も見据えています。コロナ対策はもちろんですが,在院日数が急減する中,外来での説明と退院後のサポートの機会は著しく増えますので,これに対し,オンライン診療は極めて効率的で安心できる外来支援として期待しています。
●社会医療法人春回会井上病院病院長 吉嶺裕之氏のコメント
「EHRとPHRの融合」
長崎における地域医療情報ネットワークシステム「あじさいネット」上とオンライン診療システム「YaDoc」が使用できるようになる事で2つの大きなメリットが期待できる。(1) 診療所のみならず病院においてもコストを抑え,簡便・安全に電子カルテ上でオンライン診療システムを利用できるようになり,対面とオンラインを組み合わせたハイブリット診療が可能になる。(2) 同一医療圏において多くの患者と医療機関が利用することで,利用患者のバイタルや生活記録などのPHRを医療機関間で共有できる。今回の取り組みは,超高齢社会かつウイズコロナの時代において,医療の効率化と質向上を検証する社会実験とも言える。
●問い合わせ先
(株)インテグリティ・ヘルスケア
オンライン診療事業部
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E-mail pr@integrity-healthcare.co.jp