長瀬産業,米国製小腸用カプセル内視鏡「CapsoCam Plus」の提供を開始
360°パノラマ撮影技術で複雑な小腸内を鮮明に録画
2021-1-13
・CapsoVision社の小腸用カプセル内視鏡「CapsoCam Plusカプセル内視鏡」の提供を開始
・長さ約3cmのカプセルに4つの小型カメラを搭載。業界初(※1)の360°高画像パノラマ撮影により撮影の死角を軽減
・メモリー内蔵型でデータの送受信が不要なため消費電力が小さく,長時間の撮影が可能
長瀬産業(株)は,国内の総代理店契約を締結している医療機器開発メーカー CapsoVision, Inc.(本社:米国,以下「CapsoVision(カプソビジョン)社」)の小腸用カプセル内視鏡「CapsoCam Plusカプセル内視鏡」(以下,「CapsoCam Plus(カプソカム プラス)」)について,薬機法に基づく薬事承認を取得した(※2)。また,特定の症状(※3)の患者に対する保険適用が2021年1月から開始されることを受け,提供を本格化する。
胃や大腸,小腸などを検査する内視鏡はチューブ型の内視鏡が一般的だが,患者の症状によって,心理的・身体的負担がより少ない,口から飲み込むカプセル型の開発・利用が広がっている。CapsoCam Plusは直径1.1cm,長さ約3cmで,業界初となる360°の高画像パノラマ撮影を可能とする4台の小型カメラ,照明用LED,データを記録するフラッシュメモリー,バッテリー等を搭載。小腸内で最大約15時間の撮影が可能(1秒間に2.5フレーム)。2010年から製造が開始され,現在は欧米を中心に約50ヵ国・地域で販売されている。
【CapsoCam Plusカプセル内視鏡】
従来の小腸用カプセル内視鏡は広角カメラ1台を搭載しているものが主流だが,小腸はヒダが多く複雑な形状であるため撮影の死角が生じやすく,CapsoVision社の高精度な光学設計および画像処理技術による360°のパノラマ撮影により精度の高い診断につながることが期待される。さらに,従来型は撮影データを無線で送受信するが,CapsoCam Plusは内部メモリーに画像を記録するため電池の消費が少なく,撮影時間の延伸により小腸全体の画像を取得できる確度が向上する。また,受診者が受信機を装着する必要や,電波干渉による画像欠損がなくなり,検査中も外出できるなど患者エクスペリエンスの向上にも寄与する。
長瀬産業は2018年からCapsoVision社との間で総代理店契約を締結しており,同社が開発を進めている大腸用カプセル内視鏡についても国内での薬事承認を目指している。
長瀬産業では,主に医用画像処理にかかる新技術に注目しビジネスを展開している。今後も先端技術を用いた医療業界でのイノベーション創出を通じ,人々が快適に過ごせる安心・安全で温もりある社会の実現に貢献していく。
【CapsoCam Plusによる撮影画像】
※1「カプセル型撮像及び追跡装置」として国内で承認されたものでは初となる。
※2 国内で承認された小腸用カプセル内視鏡としては3社目となる。
※3 胃カメラ及び大腸内視鏡で原因が特定できない出血の検査が保険の対象になる。
●問い合わせ先
長瀬産業(株)
https://www.nagase.co.jp/