富士フイルム,「SYNAPSE VINCENT Core(シナプス ヴィンセント コア)」新発売
3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)」の放射線科領域向けアプリケーションを富士フイルムヘルスケアのCT・MRI用端末で利用可能に
2022-4-5
富士フイルム(株)は,同社の3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)」※1の多彩な解析アプリケーションのうち放射線科領域向けの解析機能に特化したソフトウェア「SYNAPSE VINCENT Core(シナプス ヴィンセント コア)」を開発し,富士フイルムヘルスケア(株)が提供するCT・MRI用端末※2のソフトウェアとして,今夏に発売する。なお,4月15日から17日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される2022国際医用画像総合展(ITEM2022)に「SYNAPSE VINCENT Core」を出展する。
日本では,CTやMRIの撮影件数が年々増加している。また,近年,CTやMRIで撮影された画像を用いて作成される3D画像は,単なる形態診断だけでなく,各種臓器の機能解析や術前シミュレーションにも活用されており,その重要性が高まっている。それに伴い,診療業務に占める3D画像作成業務の割合も増加傾向にある。このような背景から,精度の高い3D画像を簡便に作成できるシステムやソフトウェアの活用などによる撮影から画像解析までのワークフローの効率化が求められている。
CT・MRIの操作室では,これまで撮影後の画像解析は医師または診療放射線技師が手動で行っていた。「SYNAPSE VINCENT Core」では,富士フイルムがAI技術※3を活用して開発したSYNAPSE VINCENTの自動臓器認識機能を利用することができ,撮影後すぐに各種解析と高精度な3D画像の描出が可能になる。基本的な解析機能に加え,肺解析や神経線維の走行を画像化するテンソル解析といったアプリケーションもオプションとして提供する。また,スタンドアロン構成だけでなくサーバー・クライアント構成での導入も可能で,操作室だけでなく,読影室や診察室での画像解析など施設の用途に応じた柔軟な組み合わせによってワークフローの効率化をサポートする。
富士フイルムは,診断支援,医療現場のワークフロー支援,そして医療機器の保守サービスに活用できる AI 技術の開発を進め,これらの領域で活用できる AI 技術を"REiLI(レイリ)"というブランドで展開している。同社は,2021年3月に新たにグループ会社としてスタートした富士フイルムヘルスケアの画像診断装置に,富士フイルムの画像処理技術・AI技術を組み合わせることによる,より付加価値の高いソリューションの創出に向けて開発を進めてきた。今回発売する「SYNAPSE VINCENT Core」に続き,今後も富士フイルムグループの持つ技術,製品,サービスを結集して,これまで以上に質の高いソリューションを提供し,医療の発展と人々の健康の維持増進に貢献していく。
※1 SYNAPSE VINCENTは以下の医療機器を指す。
販売名:富士画像診断ワークステーション FN-7941 型,認証番号:22000BZX00238000
※2 オペレーションコンソールとは別の汎用PCで構成される。
※3 AI技術のひとつであるディープラーニングを用いて設計した。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはない。
製品の特長
(1)『肺解析』機能
胸部CT画像を用いて,肺結節や気管支,肺のX線低吸収領域などに対するさまざまな解析が行える
肺解析機能のイメージ
(2)『テンソル解析』機能
MRIの拡散強調画像から,拡散テンソル画像※4を生成し,神経線維の経路をトラクトグラフィー※5により抽出し,観察できる。
※4 MRIの拡散強調画像から水分子の拡散の方向と速さを画像化したもの。
※5 MRIの拡散テンソル画像から白質などの神経線維束の走行様式を推定する方法。
テンソル解析機能のイメージ
(3)システム構成
スタンドアロンとサーバー・クライアントの二種類の製品構成がある。
スタンドアロン構成
サーバー・クライアント構成
●問い合わせ先
富士フイルム(株)
メディカルシステム事業部 ITソリューション部
TEL 03-6452-6776