オリンパス,ケニアで消化器疾患診療の人材育成支援(内視鏡領域)事業を開始
厚生労働省,国立国際医療研究センター「令和5年度医療技術等国際展開推進事業」に採択
2023-7-20
オリンパス(株)(以下,オリンパス)は,内視鏡医が不足するケニアでの内視鏡医療普及を目指し「ケニアにおける消化器疾患診療の人材育成支援(内視鏡領域)」事業を開始する。本事業は,厚生労働省より委託され,国立研究開発法人国立国際医療研究センターが主体となって実施する「令和5年度医療技術等国際展開推進事業」にオリンパスが応募し,採択されたもの。
本事業は,2023年7月から2024年1月にかけてケニアを代表する医学教育機関であるケニヤッタ国立病院を核に,昨年日本政府開発援助(以下,ODA)にて最新内視鏡機器が提供された現地7施設を含めた主要医療機関において実施される。本事業の協力機関に所属する日本人医師が講師となり,ケニア人医師に対してトレーニングを実施し,指導医の育成も支援する。
7月14日に行われたキックオフ会議において,ナイロビ消化器トレーニングセンター長,ケニヤッタ国立病院のエリー・O・オグツ医師は,「癌の増加は,ケニアでも顕著です。この事業を通し,将来,消化器癌の早期発見・治療に向けた内視鏡診療が多くの地域で実施されることを心から願っています。」と述べました。また九州大学国際医療部アジア遠隔医療開発センター長の森山智彦医師は,「本事業を通じて日本とケニアが消化器疾患に関する知識と経験を共有し,その結果として互いの診療レベルが向上するとともに,両国の友好関係がさらに深まることを期待しています。」とコメントした。
●事業応募の背景
ケニアでは近年NCDs※1の死因割合が増加しており,その中でもがんは死因の3位,消化管領域では食道・大腸・胃がんが罹患数および死亡数の上位となっており,社会的な課題となりつつある。これに対し,ケニア保健省はがんに対する基本政策を2019年に制定,大腸がんは45歳以上の国民を対象にスクリーニング検査目標数値を設定するなど取り組み強化をしている。一方でがんの早期発見や治療に欠かせない内視鏡検査の需要に対し,ケニアでは内視鏡検査に必要な高い知識や技術を有する医師の数は不足しており,医師の知識スキル向上を通じた内視鏡医療の水準向上が求められている。同社は,ケニア人医師の育成を通して消化管がんの早期発見と治療の実現,日本の最新医療技術の国際展開に寄与するとともに,ケニアの医療課題解決と医療の発展に貢献することを目的に本事業に応募した。目標数値を設定するなど取り組み強化をしている。一方でがんの早期発見や治療に欠かせない内視鏡検査の需要に対し,ケニアでは内視鏡検査に必要な高い知識や技術を有する医師の数は不足しており,医師の知識スキル向上を通じた内視鏡医療の水準向上が求められている。同社は,ケニア人医師の育成を通して消化管がんの早期発見と治療の実現,日本の最新医療技術の国際展開に寄与するとともに,ケニアの医療課題解決と医療の発展に貢献することを目的に本事業に応募した。
※1 Non- communicable diseases (非感染性疾患): 不健康な食事や運動不足,喫煙,過度の飲酒,大気汚染などにより引き起こされる,がん・糖尿病・循環器疾患・呼吸器疾患・メンタルヘルスをはじめとする慢性疾患をまとめて総称したもの。
●「医療技術等国際展開推進事業」の目的
日本の医療制度に関する知見・経験の共有,高品質かつ相手国のニーズに応える日本の医療製品・医療技術の国際展開を推進し,それにより,相手国の公衆衛生水準および医療水準の向上に貢献し,国際社会における日本の信頼を高め,日本および相手国の双方にとって好循環をもたらすことを目的としている。
●「ケニアにおける消化器疾患診療の人材育成支援」(内視鏡領域)の事業内容
1)ケニアにおける消化器疾患の診療水準向上に不可欠な消化器内視鏡に関する教育活動を,新興国医師向けの現地・受入及び遠隔での研修実績が豊富な九州大学病院国際医療部の協力を得て,ODAにより日本製内視鏡機器が設置されたナイロビ及び周辺カウンティの医療従事者を中心に,産学共同で研修活動を実施する。
2)日本人講師より上部・下部消化管の内視鏡標準観察法〜治療までの研修を,座学・臨床指導・実習モデルを用いたハンズオン等で実施する。実施方法は,現地研修・本邦研修・遠隔研修の組み合わせです。当社は研修時の機材貸与およびトレーニングコースのアレンジを行う。
●問い合わせ先
オリンパス(株)
https://www.olympus.co.jp