日本IBM,藤田医科大学 羽田クリニックの電子カルテ・医療情報基盤をクラウド環境上で稼働
2023-10-17
藤田医科大学と日本アイ・ビー・エム(株)(以下 日本IBM)は,2023年10月2日に,羽田空港に隣接する複合施設内に開設した「藤田医科大学 羽田クリニック(以下,羽田クリニック)」の包括的な電子カルテ・医療情報基盤をクラウド環境上に構築し,利用開始したことを発表した。藤田医科大学では,新電子カルテ・医療情報基盤を活用することで,健診から医療,予後(病気や治療などの医学的な経過に関する見通し)にわたり,患者や臨床の医療者のデータ利活用を支えることによって,厚生労働省が提唱する「医療DX令和ビジョン2030」に先駆けて,医療デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進していく。
日本IBMは,ヘルスケア業界の知見,ハイブリッドクラウド環境構築やモダナイゼーションに関する豊富なスキルを有するコンサルタントを中心に,藤田医科大の医療DX推進の取り組みを支援する。
羽田クリニックは,隣接する次世代医療・研究の拠点「藤田医科大学東京 先端医療研究センター」で研究開発された最新の医療機器や治療方法を即座に導入し,最先端の医療を提供することができる。また,藤田医科大学の関連大学病院*で蓄積された医療情報をデータ化して活用するエビデンス健診/検診にも対応し,医療従事者による疾患の発見や治療に役立てる。
羽田クリニックの新電子カルテ・医療情報基盤は,藤田医科大学病院と同じIBMの病院情報システムIBM Clinical Information System(CIS)を使用しているため,IBMのデータ連携基盤を活用すれば,簡単に,国際標準規格のFHIR®に準拠した外部のヘルスケア・ソリューションとのデータ連携が可能。さらに,アマゾン ウェブ サービス(以下,AWS)が提供するクラウドコンピューティング上で稼働することで,ベンダーや業界を超えたデータの相互交換が可能になった。
羽田クリニックの電子カルテ・医療情報基盤の特長は,以下のとおり。
・AWSのクラウド環境による,データ分析,拡張性,事業継続性(BCP)の実現
・共通インターフェースによる,健診・不妊治療など各種部門システムとの連携
・藤田医科大学4病院での実績があり,機能,品質面の信頼性が高いCISを活用した電子カルテシステム
・施設間連携とレスポンスを実現する仮想クライアント技術とアーキテクチャー
・長年にわたり藤田医科大学病院の保守活動を実施しているチームによるサポート体制
日本IBMは,羽田クリニックの電子カルテ・医療情報基盤の構想策定,導入,他部門との連携インターフェースの導入・設定,テストを支援した。また,金融サービス向けに提供してきた堅牢性,可用性,セキュリティーに関する知見やアセットをヘルスケア向けに拡張したデータ連携基盤である「ヘルスケアDSP」も提供している。
今後は,藤田医科大学4病院との連携や情報システムの複雑・増大化やデータのAIによる解析・分析などの後利用も踏まえて,医療情報システムが持つ機能を最大限に活用できるよう,支援する。
AWSは,顧客がAWSのクラウド環境で顧客のサービスを提供するために,医療情報を取り扱うシステムを構築する際に参照される3省2ガイドラインに対応する「医療情報システム向け AWS 利用リファレンス」の文書の作成など,AWS パートナーを支援している。
AWSは,藤田医科大学におけるIBMサービスの活用に向けて,グローバルの幅広い知見・スキルを活用し,AWSサービス選定・構成検討・院内におけるクラウド利用ガイドラインの作成サポートなどを行い,医療機関におけるクラウド上での電子カルテ・医療情報基盤の構築に向けたセキュリティーの向上を支援した。また今回,AWSのクラウド上での電子カルテの運用・稼働に,セキュリティー対策やデータのバックアップなどを標準機能として提供しているマネージドサービスといった最新のテクノロジーが活用されている。
このため,AWSは今後さらに,病院がインフラの運用管理を削減したり,臨床・オペレーション・研究の効率を向上し,病院がよりコアビジネスにフォーカスすることでビジネスの変革を推進するよう支援する。
AWSのセキュアで医療機関向けに特化したコンプライアンスに遵守した最新のテクノロジーを活用し,藤田医科大学,日本IBM は,医療DXを共に推進していく。
* 藤田医科大学の関連大学病院は,藤田医科大学豊明本院,七栗記念病院,ばんたね病院,岡崎医療センター。
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