ウィーメックス,聖マリアンナ医科大学病院と臓器提供プロセスにおける「Teladoc HEALTH」を活用した施設間連携の実証事業を実施
2024-1-16
PHCホールディングス(株)傘下のウィーメックス(株)(以下「ウィーメックス」)は,聖マリアンナ医科大学病院とともに,公益社団法人日本臓器移植ネットワーク(以下「JOT」)が実施する「臓器提供施設連携体制構築事業」(*1)の一環として,ウィーメックスのリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH 」(*2)を活用した施設間連携の実証事業の実施を発表した。
JOTの発表(*3)によると,本人の書面による意思表示がなくても,家族の承諾があれば脳死判定と臓器提供が可能となった2010年の改正臓器移植法施行以降,脳死臓器提供者数は増加し,本年10月時点で100件を超え過去最多となった。しかし,日本国内の脳死臓器提供者数は,26年前,1997年に脳死からの臓器提供を定めた臓器移植法が施行されてから約1000件(*4)と,海外に比べて少なく,移植を希望する患者の待機期間は長期化しており,臓器提供数の底上げが急務となっている。
臓器提供プロセスにおいて,「法的脳死判定」は,患者の脳幹を含む脳全体が不可逆的に機能消失した状態を確認する上で極めて重要とされている。この「法的脳死判定」には専門的な知識と経験が必要となるため,臓器提供の経験が豊富な施設から,臓器提供の経験が少ない施設等への助言や,臓器提供事例発生時に医師や臨床検査技師等が応援に駆けつける等の支援体制が必要不可欠である。しかし臨床現場にいる医師や臨床検査技師等が連携先の病院に適切なタイミングで出向くことは難しく,臨床現場の支援体制も課題だと考えられる。
本実証事業においては,拠点施設である聖マリアンナ医科大学病院を起点に,協力施設先となる横須賀市立うわまち病院を含めた4か所の医療機関を「Teladoc HEALTH」を通じて遠隔で接続し,「法的脳死判定」に必要な映像・音声情報をリアルタイムで共有できる環境を整備する。臓器提供事例が発生した際,脳死判定の経験豊富な医師が,遠隔地から患者の「法的脳死判定」実施の支援や,臓器提供に関わる患者管理,臓器評価などの支援を「Teladoc HEALTH」を活用して迅速に行う。また,「法的脳死判定」を習得過程の医師も「Teladoc HEALTH」を介して遠隔地から一連のプロセスをリアルタイムで確認できるため,脳死評価者の教育・育成の観点からも貢献していく。
聖マリアンナ医科大学病院副院長の藤谷茂樹氏は,次のように述べている。
『「Teladoc HEALTH」の活用により,拠点施設のスタッフは現地に赴く必要がなく,協力施設への指導やサポートもリアルタイムに行うことができます。また,協力施設は遠隔地からいつでも相談ができ,支援を受けることもできるため,双方にとって効率的な働き方が可能となりました。今後は,協力施設のネットワークを増やし,多くの施設を支援できる体制を構築していきたいと考えています。』
(*1)https://www.jotnw.or.jp/news/detail.php?id=1-933
(*2)https://www.phchd.com/jp/bx/telehealth
(*3)https://www.jotnw.or.jp/data/offer.php
(*4)https://www.jotnw.or.jp/data/offer_brain.php
#実証事業の概要
・期間:2023年8月1日から2024年3月31日
・場所:聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県川崎市宮前区菅生2丁目16-1)
横須賀市立うわまち病院(神奈川県横須賀市上町2丁目36)
他協力先施設(東京,千葉,神奈川の3施設)
・想定シーン: 脳死疑いとされる患者が発生した際に,「Teladoc HEALTH」を活用し,遠隔地からの状態の確認と判断,及びその支援,循環呼吸管理の支援,臓器評価の支援を想定
#リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」について
専門医の少ない医療機関と遠隔地の専門医をオンラインで繋げる,リモート操作可能なリアルタイム遠隔医療システム。超音波診断装置などの周辺医療機器と接続し,患者の容体を短時間で把握することができる。遠隔地にいる医師主導で操作を可能とし,最上位機種(モデル:Teladoc HEALTH Lite 4)は,45倍ズームおよび約360度回転が可能な高解像度カメラを搭載している。
●問い合わせ先
ウィーメックス(株)デジタルヘルス事業部 遠隔医療ソリューション部
Email:pj-telehealth-contact@ml.wemex.com