島津製作所は，3月19日に福井県越前市と，市民の健康づくりおよび地域社会の活性化を目的とする健康寿命延伸に向けた連携協定を締結した。健康増進プラットフォーム「SUPOFULL」と最終糖化産物（Advanced Glycation End Products，AGEs）を測定できる「AGEｓセンサ」などを健康イベントや商業施設，企業などで活用する。越前市が健康経営を支援する「健康すまいる事業所」などにも「SUPOFULL」を提供して，現役世代から高齢者までの健康づくりに寄与する。

左から島津製作所 山本靖則代表取締役社長，越前市 山田賢一市長

5月発売予定の「SUPOFULL」は，利用者の健康増進を目的としたクラウド型パッケージサービス。装置に指先を載せるだけで加齢や健康に関わるといわれる最終糖化産物の蓄積レベルを測定できる「AGEｓセンサ」などで計測した日々の健康データや，医療機関が取得した検査データを収集・見える化できる。これらの結果をもとに，運動や食事，睡眠などのアドバイスを含むレポートを提供する。利用者はアドバイスに沿って健康増進に努める。

島津製作所と越前市は，スーパーマーケットを展開する（株）平和堂（本社：滋賀県彦根市）の協力のもと，市民の健康意識向上に努める。（株）平和堂が運営する市内の商業施設「アル・プラザ武生」を健康増進活動の拠点として，「AGEｓセンサ」の設置や定期的な健康イベントを開催する。同施設に置かれている血圧計や筋肉量計および「AGEｓセンサ」などの測定結果をもとに個人に合わせたアドバイスを「SUPOFULL」より提供し，平和堂の店舗に常駐するコンシェルジュなど支援者とともに，利用者の健康増進に寄与する。

地域の健康づくり支援

また，越前市が健康経営を支援する「健康すまいる事業所」などに「SUPOFULL」を提供して，働く世代の健康意識を高めていく。「AGEｓセンサ」などを対象企業に設置することで，日々の健康状態を容易に確認できる環境を築き，レポートを通じて，一人ひとりに寄り添ったアドバイスを提供する。

島津製作所は分析計測機器や医用機器を用いた臨床検査によってトータルソリューションを提供する「メドテック事業」に注力している。同社は，自治体や医療機関，企業などと連携して，健康増進プラットフォーム「SUPOFULL」を拡販することで，日本の健康寿命延伸に貢献していく。