GEヘルスケア・ジャパン,PET検査用薬剤合成装置「FASTlab」および「FASTlab 2」で合成されるアミロイドPETイメージング剤「ビザミル™」を用いた検査が保険適用へ
~アルツハイマー型認知症診断へのさらなる貢献を目指す~
2024-10-2
医療の課題解決に取り組むGEヘルスケア・ジャパン(株)は,PET(陽電子放射断層撮影装置)検査で使用する放射性薬剤を自動合成する放射性医薬品合成設備「FASTlab(ファストラボ)」および「FASTlab 2(ファストラボツー)」で合成されるアミロイドPETイメージング剤「ビザミル™(VIZAMYL™,一般名:フルテメタモル),以下”ビザミル”」を用いた検査が,10月1日付けで保険適用*されることを発表した。
国内では昨年,アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症の進行抑制を効能又は効果とする治療薬(疾患修飾薬)の販売が開始されたが,この治療薬の処方判断の方法の一つとして承認を受けた診断法によりアミロイドβ病理を示唆する所見を確認することが求められている。ビザミルは,アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドβプラークを可視化するPET用薬剤。このことから,ビザミルによるアミロイドPET検査は,非侵襲的に脳内のアミロイドβの沈着を評価できる検査方法として大きな期待と注目が寄せられ,アルツハイマー病の早期診断や適切な治療へ活用されている。
GEヘルスケア・ジャパンは,2015年5月に「FASTlab」でのビザミル合成機能について「アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」を効能・効果として薬事承認を取得し,2023年10月にはアルツハイマー病による軽度認知障害が疑われる患者も対象とする承認を取得した。
現在,国内でPET・PET/CT・PET/MR装置を保有している施設約400施設のうち,サイクロトロンを保有しPET放射性薬剤の院内合成を行っている施設は約150施設ある**が,今回の「FASTlab」および「FASTlab 2」で合成したビザミルを用いた検査が保険適用*されることにより,PET放射性薬剤の院内合成を行う全国のより多くの医療機関でアミロイドPET検査が広がることが期待される。
「FASTlab」は,2015年に国内で初めて1台で複数のPET用薬剤(FDGおよびビザミル)が合成可能な装置として承認を取得した。疾病診断にPET装置を活用しサイクロトロンによる院内合成を実施する施設において,限られたスペースおよび時間内で1日に2剤の合成が可能であることは設備投資やワークフローの面で効率的で有用なインフラとなる。また,半減期を有する放射性医薬品には製薬会社からの供給(デリバリー)が難しい地域があるため,医療の均てん化という意味においても院内合成は重要な役割を果たすと考えている。
超高齢社会を迎えた日本では,2025年には国内の認知症患者数が700万人を超え,高齢者の約5人に1人が認知症になるとの推計がされている***。アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症の進行抑制を効能効果とする治療薬の適正使用のために,今後もアミロイドPET検査が大きな役割を果たすことを期待している。
* 厚生労働省の定めるレカネマブ(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドラインに沿って,アルツハイマー病による軽度認知障害又は軽度の認知症が疑われる患者等に対し,レカネマブ(遺伝子組換え)製剤の投与の要否を判断する目的でアミロイドβ病理を示唆する所見を確認する場合,及びレカネマブ(遺伝子組換え)製剤の投与中止後に初回投与から18か月を超えて再開する場合に適用
** 日本核医学会PET核医学分科会 https://jcpet.jp/facilities/
** *認知症施策推進総合戦略
(新オレンジプラン:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/nop1-2_3.pdf
)
その他,本資料に記載された装置の製品名/薬事販売名/医療機器承認番号は以下の通り
製品名:FASTlab2
薬事販売名:放射性医薬品合成設備 FASTlab 2
医療機器承認番号:23100BZX00015000
製品名:FASTlab
薬事販売名:放射性医薬品合成設備 FASTlab
医療機器承認番号:22300BZX00445000
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コーポレート コミュニケーション
TEL 0120-202-021
https://www.gehealthcare.co.jp/