日立ハイテク,東京都立駒込病院に陽子線治療施設を新設 2030年度稼働へ
地方独立行政法人東京都立病院機構から陽子線治療システムを受注
2025-7-2

完成予想図
(株)日立ハイテク(以下,日立ハイテク)は,地方独立行政法人東京都立病院機構(以下,病院機構)から,東京都立駒込病院敷地内に導入予定の陽子線治療システム一式を受注し,2025年6月30日に契約を締結した。新施設はコンパクトな配置で構成され,加速器一式および回転ガントリ型治療室2室を備えている。
病院機構は,陽子線治療施設等整備事業において,施設の設計,建設,工事監理および陽子線治療装置等の調達・据付等を一括で発注する方式を採用しており,(株)竹中工務店を代表企業とし,日立ハイテクならびに(株)横河建築設計事務所の3社で構成されるグループが本事業の実施事業者として選定された。本事業において日立ハイテクは,陽子線治療装置等の調達・据付業務を担う。
新施設が整備される東京都立駒込病院は,がん医療において,都全体の医療水準の向上や医療提供体制の構築について中心的な役割を担う「都道府県がん診療連携拠点病院」に指定されており,新たに整備される陽子線治療施設は2030年度の稼働を予定している。
日立ハイテクは,粒子線がん治療システムとして,陽子線,重粒子線,陽子線と重粒子線のハイブリッド治療がんシステムなど,高性能で高付加価値な製品とサービスを提供し,世界的に著名な病院に納入されている。これまでに120,000名*1以上の患者が治療を受けるなど,高い信頼性と実績を有している。
放射線治療は患部を切除することなく治療を行えるため,身体への負担が比較的少ないがん治療法。高齢化の進展とともに,がん患者も増加しており,より身体の負担の少ない放射線治療へのニーズが高まっている。
日立ハイテクは,「がんを恐れることのない社会の実現」に向けて,患者一人ひとりに寄り添った,低侵襲かつ経済性に優れた放射線治療システムを提供し,患者のQoL(Quality of Life)の維持・向上とがん治療のさらなる発展に貢献していく。
*1 PTCOG(Particle Therapy Co-Operative Group)のWebサイトで公開された2024年12月までのデータを集計したもの。
粒子線がん治療について
粒子線がん治療は,放射線によるがん治療法の一つ。水素の原子核や炭素イオンを加速器で光速の約70%に加速させ,腫瘍に集中して照射することでがんを治療するもので,水素の原子核を加速したものを陽子線,炭素イオンを加速したものを重粒子線という。治療に伴う痛みがほとんどなく,他の放射線治療に比べて副作用が少ないため,治療と社会生活の両立が可能であり,生活の質(QoL)を維持しつつ,がんを治療できる最先端の治療法として注目されている。
日立ハイテクの粒子線がん治療システムについて
https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/healthcare/treatment/pbt/
●問い合わせ先
(株)日立ハイテク
ヘルスケア事業統括本部 治療システム事業部 粒子線治療事業推進本部
事業推進部
https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/