Ubie,亀田総合病院が医療従事者の"デジタル秘書" AIパートナー機能を導入開始
患者情報を一元化し,対話形式での検索と文書生成ワークフローの実行を実現

2025-9-16

AI


Ubie(株)(以下「Ubie」)は,医療法人鉄蕉会 亀田総合病院(以下「亀田総合病院」)において,医療従事者の業務効率化と患者アウトカム向上を目的とした「ユビー生成AI」の新機能「患者ナビ」および「AIパートナー機能」の運用を開始した。

亀田総合病院

 

■取り組み背景と導入目的

現代の医療現場では,電子カルテの普及や医療技術の高度化に伴い,医師が処理すべき情報量が爆発的に増加している。特に大規模総合病院では,複数科にわたる治療歴,検査結果,投薬履歴,症状の経過など,膨大で散在する患者情報を短時間で把握し,適切な診断・治療判断を下すことが求められており,医師の認知的負荷の軽減が喫緊の課題となっている。

亀田総合病院は,千葉県南房総地域の基幹病院として,優れた人材と高精度機器を駆使した急性期医療を担い,ISO9001の認証や国際的な医療機能評価であるJCI(Joint Commission International)から日本初の認証を取得するなど,医療の質の向上に継続的に取り組んでいる。

今回,さらなる医療の質向上と働き方改革の推進を目指し,次世代の医療DXソリューションとして「患者ナビ」および「AIパートナー機能」の運用を開始した。

■「患者ナビ」について

「患者ナビ」は,ユビー生成AIの新機能として開発された,医療従事者向けの患者情報統合プラットフォーム。従来,電子カルテや各部門システムに散在していた患者情報を一元的に集約し,医療従事者が患者の全体像を瞬時に把握できる環境を提供する。

<「患者ナビ」の主要構成>

  • 患者サマリ:症状,治療歴,検査結果などを時系列で整理し,患者の治療状況を経時的に可視化
  • 実行履歴:過去の生成AI等の実行履歴を患者単位で管理。事前に設定した特定条件に応じて,自動で生成AI処理の実行を可能にし,文書作成業務の負担を大幅に軽減
  • AIパートナー機能:自然言語での対話を通じて,患者の情報検索やワークフロー実行を支援

 

「患者ナビ」により,医療従事者は複数のシステムを行き来することなく,一つの画面で患者の包括的な情報にアクセスできるようになる。特に,新機能として搭載された「AIパートナー機能」では,より直感的で効率的な情報活用が可能になり,治療意思決定支援に貢献する。

■AIパートナー機能について

「AIパートナー機能」は,「患者ナビ」に搭載された医療従事者の"デジタル秘書"として機能する生成AIサービス。従来から診療録には多くの情報が様々な場所に保存されており,医療従事者は患者の概要を掴んだり特定の情報を探すことに苦労している。患者のコンテキストを学習させたAIパートナーを常駐させることにより,従来の複雑な画面操作に代わり,自然言語による対話で情報検索やワークフロー実行を実現する。より直感的で効率的な情報活用により,治療意思決定支援に貢献する。

音声入力にも対応しており,テキスト入力なしでの操作が可能。AIが指示内容を理解し,適切な情報を構造化して提示することで,医療従事者の業務効率化を実現する。これにより,医師は限られた診察時間の中で患者情報を深く理解し,より高度な診断・治療判断に集中することが可能になる。

AIパートナー機能について

 

■亀田総合病院での活用内容と期待される効果

<主な活用内容>
外来診療での情報整理:音声指示により複雑な病歴を持つ患者の症状経過や治療履歴を瞬時に構造化して提示
入院患者の状態把握:会話形式で多職種からの情報を統合し,患者の全体像を迅速に把握
多職種間の情報共有:会話形式での指示により他科との連携時に必要な患者情報を適切な形で整理・提供

<期待される効果>
本導入により,医療従事者の認知負荷軽減と中長期的には患者アウトカムの向上が期待されている。AIが定型的な情報処理を担うことで,医師は患者とのコミュニケーション,複雑な診断,個別化医療の提供により集中できるようになる。また,散在する患者情報の統合により,有害事象の早期検知や見落としリスクの低減,診断精度の向上も見込まれている。
亀田総合病院での本導入は,生成AIの医療現場における実用化を前進させるものであり,医療機関における働き方改革と医療の質向上を両立するものである。

■今後の展開

亀田総合病院では,本導入の成果を詳細に検証し,段階的な活用範囲の拡大を検討していく。
今回の「患者ナビ」および「AIパートナー機能」の導入においても,初期段階での効果検証を踏まえ,対象診療科の拡大や医師以外の医療従事者への活用範囲拡張を進める予定。また,既に導入済みの他のUbieサービスとの連携を強化することで,院内での医療DX推進をより一層加速させることを目指している。
また,将来的には医療従事者が優先的に閲覧したい情報をパーソナライズして表示することなどにより,より精密で個別化された医療の提供を目指していく。
Ubieは,亀田総合病院での取り組みを通じて得られる知見を活かし,「AIパートナー機能」のサービス向上を図るとともに,「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というミッションの実現に向けて,医療現場のデジタル変革を推進していく。

■医療法人鉄蕉会 亀田総合病院 情報管理本部 本部長 / 糖尿病内分泌内科 シニア・ダイアビーティス・アドバイザー / CSR推進室顧問 小川 理 氏

電子カルテには膨大な情報が蓄積されていますが,必要な情報がどこにあるのか直ちに把握できず,診療の際には手当たり次第に画面を開いて確認せざるを得ない状況が度々ありました。こうした作業は患者さんの診断や治療といった本来集中すべき部分とは異なる負担であり,その積み重ねが診療全体に影響することが課題でした。AIパートナー機能は,この負担を軽減し,必要な情報を整理して提示することで,診療をより適切に行えるよう支えてくれると期待しています。さらに,これは医師のみならず看護師や薬剤師など多職種が患者情報を共有する際にも有用であり,チーム医療全体の質の向上につながると考えています。

【医療機関向け「ユビーメディカルナビ」について】
「ユビーメディカルナビ」は診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ。問診業務効率化を図る「ユビーAI問診」や,認知向上をサポートする「ユビーリンク」などを提供している。「ユビーAI問診」は紙の問診票のかわりにスマートフォンやタブレットを活用した,医療機関の業務効率化を支える問診サービス。医師は文章に翻訳された問診内容と病名辞書の結果を活用することで,電子カルテ記載に伴う事務作業が大幅に削減される。結果として,より患者に向き合う時間が増え,診察等の医師にしかできない業務により集中してもらえるようになる。2024年10月時点で,病院・クリニック合わせて全国47都道府県・1,800以上の医療機関で導入されている。第三回日本サービス大賞で「厚生労働大臣賞」と「審査員特別賞」を受賞した。2024年5月からは,複数の生成AIを活用し,病院内のさまざまな業務効率化を支援する「ユビー生成AI」を開始しています。2024年12月に「生成AI大賞2024」にて特別賞と優秀賞を受賞した。

ユビーメディカルナビ:https://intro.dr-ubie.com/
ユビー生成AI:https://intro.dr-ubie.com/hospitals/generativeai_lp

 

●問い合わせ先
Ubie(株)
https://ubie.life/

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