オリンパス,OLYSENSE CAD/AIを米国および欧州で発売
AIで進化する「インテリジェント内視鏡」 ─ 病変の早期発見と診断水準の向上に貢献

2025-10-1

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オリンパス(株)(以下,オリンパス)は,2025年9月30日,人工知能(AI)を搭載したコンピューター支援診断(CAD/AI)ポートフォリオ「OLYSENSE」(オリセンス)を,米国および欧州で発売することを発表した。OLYSENSEは, AI技術を活用し,病変の早期発見や臨床成果の向上,診療・業務フローの効率化を支援することで,患者ケアの質の向上に貢献する。

OLYSENSEを導入した内視鏡医療のイメージ図

OLYSENSEを導入した内視鏡医療のイメージ図

 

高齢化や消化管疾患の増加により,内視鏡検査を必要とする患者は年々増え続けている。一方で,消化器内科医は業務量の増大や事務作業の負担,限られた予算,人材不足といった課題に直面している。AIやデータ活用型のソリューションは,スクリーニングや早期診断を効率化し,診療チームが適切な患者ケアに集中できるよう支援することで,より良い臨床成果をもたらすことが期待されている。

オリンパスは,クラウドベースで統合され,柔軟に拡張可能なアプリケーション群「OLYSENSE」を通じて,次世代の内視鏡エコシステムを展開する。第一弾として3つのアプリケーションを提供し,上下部消化管における病変の検出・診断・解析をサポートする。

  • CADDIE(キャディー) ※1: 大腸内視鏡検査において,結腸ポリープの検出および特性評価を支援するクラウド型AIソリューション。豊富なデータセットで学習されており,大型ポリープや鋸歯状病変(SSL)といった発見が難しい病変も含め,内視鏡映像を解析して病変の同定をサポートする。
  • CADU(キャドゥー) ※1: バレット食道患者における異形成の検出を支援するクラウド型AIソリューション。内視鏡画像上で異形成の可能性が高い部位を特定・強調し,医師の診断精度向上をサポートする。
  • SMARTIBD(スマートアイビーディー) ※1: 潰瘍性大腸炎の客観的評価をMAYOスコアに基づき支援するクラウド型AIソリューション。内視鏡画像の視覚的特徴を解析し,診断の主観性を低減する情報を提供する。

 

3つのアプリケーションはいずれも,オリンパスの内視鏡システム「EVIS X1」などとシームレスに連携し,医療現場でのスムーズな導入を可能にする。また,クラウドを通じて常に最新のソフトウェアにアクセスできる。

欧州では,CADDIE,CADU,SMARTIBDが欧州医療機器規則(MDR)に基づくCEマーク認証を取得し,CADDIEは大腸ポリープに対する検出(CADe)および診断(CADx)の両方を対象としている。米国では,CADDIEの大腸ポリープに対するCADe機能のみが米国食品医薬品局(FDA)より510(k)認可を取得している。

なお,CADDIE,CADU,SMARTIBDは,日本国内では医薬品医療機器等法に基づく承認を受けていない。

オリンパス 執行役員 消化器内視鏡ソリューション事業担当役員 キース・ベティガー氏 コメント
「OLYSENSEの導入は,患者さんがより早期に,より正確な診断を受けられるよう支援する大きな前進です。私たちの目標は明確です。医師が発見の難しい病変を早期に発見し,確かな判断を下し,患者さんに最適な医療を提供できるよう,革新的なツールを提供していくことです。」

オリンパスは,OLYSENSEを通じて診療および業務ソリューションを統合し,消化器内科ユニット全体のシームレスなデータ接続や病院システムとの連携を実現することで,インテリジェント内視鏡エコシステムの実現を目指す。さらに,長期的なビジョンのもと,OLYSENSEを段階的に拡張し,世界中の医師の進化するニーズに応じた新機能を提供していく。

※1 日本国内では医薬品医療機器等法未承認の製品。

 

●問い合わせ先
オリンパス(株)
https://www.olympus.co.jp

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