バイエル ソリューションレポート

2025年5月号

医療法人社団健心会 みなみ野循環器病院 型にはまらないのがCentargoの強み ー心臓CTにおけるCentargoの有用性ー

一日の心臓CT検査数が30件を超える、みなみ野循環器病院(東京都八王子市)の望月 純二 部長(放射線技術部)に、CentargoCTインジェクションシステム(バイエル薬品社製)の有用性についてインタビューした。

放射線科 CT担当の皆様

放射線科 CT担当の皆様

 

みなみ野循環器病院 放射線部 部長 望月 純二 先生

みなみ野循環器病院
放射線部 部長
望月 純二 先生

 

造影剤の廃棄に違和感を感じていた

短時間で冠動脈の形態に関する有用な情報を提供できる心臓CTは、CT装置の技術進歩による診断精度の向上もあり、2019年に冠動脈造影(心臓カテーテル)検査数を超え※1、さらに2022年の日本循環器病学会ガイドラインのフォーカスアップデートにより、ファーストライン検査として実施できるようになったことから、益々増加している。
当院でも運動負荷心電図が評価困難な場合に心臓CTを実施していたが、中等度リスク患者に心臓CTをファーストステップとして実施できるようになり、年々件数が増加している。
さらに、当院では予約検査が少なく、殆どが外来患者に、当日中に〔検査〕〔診断〕〔結果説明〕まで実施するため、事前に一日の検査予定を把握することが難しいという状況にもかかわらず、一日30例を超える心臓CTを撮影する日もあり、業務の効率化を期待して、2024年12月にCentargoを導入した(図1)。
また、当院は2017年にdual energy CTを導入後、明らかに造影剤の廃棄量が増加した。実際、冠動脈だけを評価する心臓CTの場合、造影剤を20mLも投与しない検査もあり、使用するシリンジ製剤の容量によっては廃棄量が多くなる。現在のCTにおいても同様の傾向であり、日々、違和感を感じていたのも造影剤の廃棄量を低減できるCentargoを導入する1つのきっかけになった。

図1 Centargoに期待すること

図1 Centargoに期待すること

 

※1 日本循環器学会 循環器疾患診療実態調査報告書
(2019年:心臓CT 509,083件/冠動脈造影 490,728件)

時間的な手間を省くことができる

当院は、一台のCTで全ての患者を診断しているため、デッドタイムを少なくすることが、患者の待ち時間を減らすことに繋がる。
そのため、後押し用に生理食塩水(生食)を空シリンジに充填する時間的な手間を省くことができるCentargoは、患者の待ち時間を減らして検査数を増やすことができるのみならず、スタッフのワークフローも大きく改善した。

様々な注入方法も柔軟に対応できる

最近、心臓CTの目的にも変化があり、従来では冠動脈を目的とした造影方法を取っていたが、右心系などの造影効果を得られるような方法など、目的に応じて造影剤の注入法も変わってきている。そういった背景の中、適切な造影効果を得るために、生食の後押しを有効活用する必要が増している。
しかしながら、従来のインジェクタでは生食の用量もシリンジの容量に制限があるため、その範囲で有効活用する必要があったが、Centargoは生食の用量を気にする必要がなく、造影剤と生食の同時注入など、注入方法も柔軟に対応できるメリットがある。

24時間体制でCentargoを使用している

診療放射線技師が5名ほどの小さな施設ではあるが、全員がCentargoを適切に運用できる様になっている。その甲斐もあり、Centargoは、朝、セットアップしてから夜間の救急対応も含めて24時間体制で使用している。
また当院では、心電図を使わない心臓CTが撮影できるため、そのプロトコルをCentargoで使用すると、患者が検査室に入ってから1分で撮影がスタートできる。そういった面で特に救急に関してはメリットがあると感じている。

造影剤の不足に悩むことがない

当院では、検査目的に応じた造影剤シリンジ(剤型)を事前に選択した後、インジェクタにセットし検査を実施していた。しかし、心臓CTでは、単純CT画像を医師と共有し、例えば遅延造影やウォールモーション解析を追加するなど検査目的をより深くする場合も少なくない(図2)。
実際、もともと冠動脈評価が目的だった患者に対して冠動脈相を撮影した後で、遅延造影を追加する場合もあり、検査前に50mLの造影剤シリンジをセットしてしまうと、適切な造影剤量で遅延造影を撮影することが難しかった。
造影剤量を気にする必要のないCentargoは、冠動脈だけではなく遅延造影やモーション解析を追加する場合に、冠動脈相を評価した後から決定できるので、循環器医療においては大きなメリットだと感じている。

図2 Centargoを用いた場合の心臓CT検査手順

図2 Centargoを用いた場合の心臓CT検査手順

 

冠動脈から遅延造影まで

心臓CTの目的が、これまでの冠動脈評価から心臓を見る、特に心筋評価に移り変わってきている。そういった面で「冠動脈CT」という呼称が「心臓CT」に置き換えられつつある。
心臓CTを構成する、冠動脈・心筋perfusion・遅延造影検査において、よりカスタマイズした造影剤プロトコルを組めるのがCentargoの最大のメリットである(図3,4,5)。
型にはまらないのがCentargoの強みだ。

図3 遅延造影の撮影プロトコル

図3 遅延造影の撮影プロトコル

 

図4 心筋負荷perfusionの撮影プロトコル

図4 心筋負荷perfusionの撮影プロトコル

 

図5 モーション解析の撮影プロトコル

図5 モーション解析の撮影プロトコル

 

(2025年3月3日取材)

医療法人社団健心会 みなみ野循環器病院

医療法人社団健心会 みなみ野循環器病院

 

管理医療機器 / 多相電動式造影剤注入装置
販売名 / Centargo CTインジェクションシステム
認証番号 / 302AABZX00091000

管理医療機器 / 造影剤用輸液セット
販売名 / Centargo ディスポーザブルセット
認証番号 / 303AABZX00003000

インタビューの様子はこちらから(動画)

 

【製品に関する問い合わせ先】
バイエル薬品株式会社 ラジオロジー事業部
TEL 0120-609-040
https://radiology.bayer.jp/

 

PP-M-CEN-JP-0351-31-03

TOP