2005年:64マルチスライスCT(MSCT / MDCT)時代の到来によって,心臓CTの臨床活用への期待が高まる
2025-3-31
2004年から2005年にかけて,モダリティメーカー各社から64マルチスライスCTが次々と発売された。1スキャンで64スライスを取得でき,心臓全体を高速に撮影できることから,ITEM 2005では心臓CTの臨床活用における有用性をアピールするメーカーが多かった。
東芝メディカルシステムズ社(現・キヤノンメディカルシステムズ社)は,0.5mmスライス厚,0.4秒高速スキャンが可能な64列マルチスライスCT「Aquilion64」を展示した。高画質モードでも頸部から足先まで30秒以内に撮影できるほか,心臓を7秒以内で高画質撮影できるため,循環器領域での臨床活用が期待できることを強調した。さらに,量子ノイズ除去フィルタの採用によって被ばく低減が図られていることも紹介された。
シーメンス社は,64マルチスライスCT「SOMATOM Sensation 64」「SOMATOM Sensation Cardiac 64」を展示した。新型X線管「Straton」と独自のデータ収集技術「z-Sharp」を搭載し,SOMATOM Sensation Cardiac 64では世界最速の0.33s/rotのガントリ回転スピードを実現(SOMATOM Sensation 64は0.37s/rot)。心臓全体の撮影時間を従来の半分以下に短縮できるほか,造影剤量も低減できることをアピールした。
フィリップス社は,64列マルチスライスCT「Brilliance CT 64」を展示した。40mm幅のボリュームディテクタを搭載し,従来にない高速スキャンと高精細な画質を両立。また,0.625mmの高精細サブミリスライスモードを64列装備したことで,体軸方向の検出器素子が0.625mmで構成されるため,あらゆる検査で超精密データが得られるとした。
GE社は,64列Volume CT「LightSpeed VCT」を展示した。1スキャン0.35秒の高スピードで0.625mmの断層像を最大64枚取得でき,40mmの範囲をカバーするため,5心拍での心臓CTを可能とした。また,ハードやスペックは64列と同等で,データ収集を1.25mmの32列で行い多様な臨床ニーズに応える「LightSpeed VCT Select」を出展した。
一方,64スライスおよび心臓CTへの展開とは異なる方向性として,東芝メディカルシステムズ社はガントリ開口径90cm,シーメンス社は82cmの大口径CTも展示。ポジショニングや被検者へのアクセスの容易さなどがアピールされた。また,日立メディコ社(現・富士フイルムメディカル社)は,大学病院でのルーチンや救急で広く活用されているマルチスライスCT「ROBUSTO」を展示。穿刺支援用「guidesHOT」,内臓脂肪などを測定する「fatPointer」,肺気腫などの測定が容易に可能な「riskPointer」(肺野の低吸収性領域観察)など,多彩なアプリケーションを紹介した。