2006年:世界初のDual Source CT(DSCT)が登場し,CT開発は新たな局面へ

2025-3-31


2005年11月にシーメンス社が世界初となるDSCT「SOMATOM Definition」を発表したことで,同年に開催された北米放射線学会(RSNA),2006年のITEM共にDSCTが話題をさらった。一方,CT全体を見渡すと,各社とも主力製品は64マルチスライスCTであり,撮影の高速化,高画質化,被ばく低減がキーワードとなっていた。

シーメンス社のSOMATOM Definitionは,管球と検出器を2対搭載し,撮影とデータ収集を同時に行うため,時間分解能は83ms,心臓のスキャンデータ収集をわずか5秒ほどで行うことができる。心拍数に影響されない高速撮影が可能なため,βブロッカー不使用でも高画質が得られ,被ばく量もSSCTより低減できるなど,被検者の負担軽減が可能となる。また,2つの管球が異なるエネルギーを曝射することでdual energy imagingが容易に行えるようになるなど,CTイメージングの新たな扉を開いた。

DSCT「SOMATOM Definition」

DSCT「SOMATOM Definition」

 

東芝メディカルシステムズ社(現・キヤノンメディカルシステムズ社)は,「Aquilion64」において,ガントリ回転速度0.5秒の装置を標準機とし,0.4秒および0.35秒が可能なモデルをラインアップした。0.35秒が可能なモデルでは,画像再構成速度がこれまでの毎秒16画像から28画像へと進化した。また,被ばく低減技術として,新たに「Volume EC」が登場した。Volume EC では,XYZ方向からの照射線量を変調させて必要線量をコントロールできるため,高画質を維持しつつ被ばくを抑制することができる。加えて,新たな画像処理技術を用いることで,さらなる高画質と被ばく低減を可能とした。

64列マルチスライスCT「Aquilion64」

64列マルチスライスCT「Aquilion64」

 

GE社は,64列Volume CT「LightSpeed VCT」を中心に展示し,心臓の新しい撮影法として「カーディアック フリーズ フレーム スキャン機能」を紹介した。これは,ヘリカルスキャンを行わずにアキシャルスキャンを行うことで,無駄な被ばくを防ぎ,最大で約80%の被ばく低減を可能とする技術。心臓撮影範囲を120mmと仮定した場合に,3心拍分(ビーム幅40mm)のデータで心臓全体を撮影することができる。このほか,LightSpeedの基本的技術を継承し,3Dワークステーション機能も搭載したCTの新製品「BrightSpeed」を発表した。

64列Volume CT「LightSpeed VCT」

64列Volume CT
「LightSpeed VCT」

 

フィリップス社は,40mmボリューム検出器搭載の64列マルチスライスCTである「Brilliance CT 64」を展示した。本機のVersion 2では,患者の体動を自動で補正可能な造影剤モニタリングスキャン「Auto Tracking ROI」,「Dose Right ACS」による被ばく低減の強化,心臓検査における「Beat to Beatアルゴリズム」の強化などが紹介された。

64列マルチスライスCT「Brilliance CT 64」

64列マルチスライスCT「Brilliance CT 64」


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