2007年:CTに対する臨床ニーズの多様化に応える製品ラインアップやアプリケーションを展開
2025-3-31
64マルチスライスCTの臨床導入が進むとともに,その技術を継承した普及機が開発され,幅広い領域に対応するアプリケーションも多数登場するなど,ITEM 2007での展示は各社とも臨床ニーズの多様化に応える展示が目立った。
東芝メディカルシステムズ社(現・キヤノンメディカルシステムズ社)は,新しい16列マルチスライスCT「Activion16」を発表した。「Aquilion64」と同様の基本画質,操作性,被ばく低減技術を継承しながら,コンパクトなガントリとシングルコンソールシステムを採用したことで,フレキシブルな設置環境を設定でき,さまざまな施設で使用することができる。また,本体上に高度な3Dワークステーション機能を搭載しているため,撮影から高精細な2D/3D結果出力までを本体のみでスムーズに行えることをアピールした。

16列マルチスライスCT「Activion16」
シーメンス社は,DSCT「SOMATOM Definition」と16マルチスライスCT「SOMATOM Emotion」を展示した。SOMATOM Definitionでは,心臓のほか,救急領域における有用性を紹介。2つの管球からX線を照射することで,体格の大きい患者のCT angiography(CTA)撮影でも線量や画質を落とすことなく通常のスピードで撮影でき,スループットが向上する。また,dual energy imagingでは,造影ありの画像から造影なしの画像が作成でき,同じ位相でまったくズレのない画像が得られることや,形態評価はもとより機能評価も可能となることが,海外からの臨床画像と併せて紹介された。

16マルチスライスCT
「SOMATOM Emotion」
フィリップスは,「Brilliance CT 64」と,同社のワークステーション「Extended Brilliance Workspace」を中心に展示を行った。心臓をターゲットとした代表的なアプリケーションである「TrueView」では,CTAのデータからIVR実施時の血管撮影装置のアーム位置や角度を設定できるため,造影剤量や被ばくの低減効果が期待される。心臓CTと血管撮影装置を連携することで,検査から治療,フォローアップまでCTを有効に活用できるようにした。 このほか,最先端技術を紹介するコーナーでは,エネルギー特性の異なる二層式検出器を搭載し,1回の撮影で2つのエネルギーのデータ取得が可能となる「Spectral CT」が紹介された。

64列マルチスライスCT
「Brilliance CT 64」
GE社は,「LightSpeed VCT」の新技術として,高画質を維持しつつ同社比最大90%の被ばく低減を可能とする新撮影法「SnapShot Pulse」,不整脈を回避して最適心位相での画像取得を可能とする「ECG Editor」,テーブルの高速往復運動によって通常の2倍の80mm収集を可能とする「VolumeShuttle」の3つを紹介した。なかでも,VolumeShuttleを用いることで,頭部の広範囲のCT perfusion(CTP)やCTAが可能となる。このほか,4/8/16列のラインアップを持つ「BrightSpeedシリーズ」では,よりコンパクト設計となった新製品が発表された。LightSpeed VCTの技術を取り入れ,高画質・低被ばくを実現した。

64列Volume CT
「LightSpeed VCT」
日立メディコ社(現・富士フイルムメディカル社)は,マルチスライスCTの新製品として「ECLOS」を発表した。施設の検査数,検査内容,設置スペースなど個別のニーズに合わせて装置のカスタマイズが可能で,3.5MHUと5.0MHUの2種類のX線管球,4/8/16の3種類のスライス数,ショートとロングの2種類の寝台,ネットワークの構築を,最適な組み合わせで選択することができる。このほか,被検者の体厚や部位に応じて管電流を制御する「Adaptive mA」や,低線量撮影時の画像ノイズを効果的に除去する「Adaptive Filter」を搭載し,被検者の被ばく低減を図った。

4/8/16列マルチスライスCT「ECLOS」