2011年:東日本大震災によりITEM中止。インナビネット・インナービジョンでは「Spring of 2011―モダリティWeb展示会 & 誌上展示会」を企画

2025-3-31


2011年3月11日に東日本大震災が発生した。未曾有の大災害は被災した各地に甚大な被害をもたらし,ITEM の開催も中止となった。インナービジョンでは,このような状況下においても新製品・最新技術の発表の場を設けたいと考え,インナビネット・インナービジョンの特別企画として,「Spring of 2011―モダリティWeb展示会 & 誌上展示会」を開催した。

東芝メディカルシステムズ(現・キヤノンメディカルシステムズ社)社は,「Aquilion PRIME」を紹介した。Aquilion PRIMEは,高分解能・高速撮影技術に加え,最新の被ばく低減技術,78cmワイド・ボア,高速画像再構成技術などを搭載した160スライス/80列マルチスライスCT。高精度なkV/mA Switchingによる独自のデュアルエネルギー・ヘリカルスキャンも搭載しており,最新技術の追求と被ばく低減を両立できる。デュアルエネルギー・ヘリカルスキャンでは,患者の正面側にはX線に対して感受性の高い臓器が多いことを考慮し,背側のみのX線ばく射にてデータ収集を行うことができる。また,高精度スイッチング技術により,管電圧の切り替えとともに管電流までも自動調整。通常,管電流を一定にしたまま,管電圧のみを切り替えた場合,得られる画像のノイズレベル(SD値)が異なってしまうが,デュアルエネルギー・ヘリカルスキャンでは異なるエネルギーで収集しても同等の画質が得られるため,ノイズの影響を排除した精度の高い解析が行える。さらに,低被ばくと高画質の両立を実現するため,逐次近似応用画像再構成法AIDRを搭載した。これによりSD値を最大70%向上させることができる。また,画像作成に寄与しないX線をカットするアクティブコリメータも搭載し,徹底した被ばくの低減を図っている。

最新技術の追求と被ばく低減を両立した「Aquilion PRIME」

最新技術の追求と被ばく低減を両立した
「Aquilion PRIME」

 

シーメンス社は,128スライスCT「SOMATOM Definition AS」を紹介した。新たに搭載された「FAST CARE」は,高機能・高画質をはじめとする医療の質,自在かつ最適なオペレーションなど「最大の効果」を「最小限の被ばく」で得るために開発されたシーメンスの最新のソリューションである。「FAST」は,ワークフローを向上するための最新テクノロジーの総称。スキャン範囲や画像再構成範囲を撮影部位に応じて自動的に,よりスピーディに設定する「FAST Planning」など,FAST機能を活用することで,従来は時間を要したスキャン過程の複雑な手順が自動化される。また,CAREとは,同社独自の総合的な被ばく低減プログラム。rawデータベースの逐次的再構成法で,さまざまなプロトコールにおいて画質向上と最大60%の被ばく低減を実現する「SAFIRE」などのソリューションが,最小限の被ばくで最大の効果を提供する。

128スライスCT「SOMATOM Definition AS」

128スライスCT「SOMATOM Definition AS」

 

フィリップス社は,ユニバーサル128スライスCT「Ingenuity CT」を紹介した。Ingenuity CTは,さまざまなCT検査において質の高い検査をサポートする,新しくデザインされたユニバーサルな128スライスCT装置。iDose4とインテグレートすることにより,画質の向上と被ばく低減の両立を実現している。ヘリカルアーチファクトを抑制する新128スライス,ノイズの少ない高分解能画像の取得,画質を落とさず最大80%の被ばくを低減(*同社比),高速画像再構成を実現する画像演算処理速度によるスループット向上,直感的な操作を可能とするユーザーインターフェイスによる検査効率向上,検査前ウォームアップ時間を必要としない新しいX線管球によるスムーズな検査,などが特長となっている。

ユニバーサル128スライスCT「Ingenuity CT」

ユニバーサル128スライスCT
「Ingenuity CT」

 

GE社は,完全なモデルベース逐次近似再構成法として,「Veo」を発表した。一般X線撮影並みの低被ばくと,従来機を上回る高画質を両立させたCT用画像再構成技術で,1mSv以下の被ばく量で高分解能・高画質撮影を可能とする。従来あって当たり前だった画像再構成関数がない新次元再構成で,ヘリカルピッチに依存しないスライス厚を実現することができる。また,HDCT「Discovery CT750HD」を紹介した。従来は評価困難であった領域において高分解能化による観察が可能となるほか,これまで知ることのできなかった情報をGSI(dual energy)により取得可能となる。さらに,画質を劣化させることなく被ばくを低減ことも大きな特長である。

HDCT「Discovery CT750HD」

HDCT「Discovery CT750HD」

 

日立メディコ社(現・富士フイルムメディカル社)は,心臓だけでなく全身を0.35 s/rotで撮影可能な64列マルチスライスCT「SCENARIA」を紹介した。新たに搭載した「IntelliCenter」は,左右に最大80mm移動する寝台横スライド機構とX線補償フィルタ切り替えを組み合わせた機能。心臓撮影の例では,低被ばく用X線補償フィルタを用いてX線を関心領域に絞り,寝台横スライド機構によってX線が絞られた関心領域に心臓を位置決めすることで,心臓がスキャナの回転中心に来るので空間分解能の向上が期待でき,X線を絞ることによって被ばく低減も可能となる。

64列マルチスライスCT「SCENARIA」

64列マルチスライスCT「SCENARIA」


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